サカナクション/kikUUiki | Uguisu's Valley

Uguisu's Valley

買ったCDの感想・レビュー(と少々の雑記。。)を自分が忘れないために書き留めるブログです。

Release:2010/03/17 at Japan
score 82/100

$Uguisu's Valley

日本のエレクトロニカ/ロックバンドの4枚目のアルバム。タイトルの「kikUUiki(キクウイキ)」とは漢字で書くと「汽空域」であり、海水と淡水が交わる水域「汽水域」から創られた造語である。らしい。。

01. intro = 汽空域
02. 潮
03. YES NO
04. アルクアラウンド
05. Klee  ★おすすめ!!
06. 21.1
07. アンダー
08. シーラカンスと僕
09. 明日から
10. 表参道26時
11. 壁
12. 目が明く藍色

音楽には様々なジャンルがありますが、その中でエレクトロな電子音の鳴り響くジャンルというのものにはほとんど興味が無く、日本だとYMOやPerfume。海外ならAutechreぐらいしかシッカリ聴いたことありません。なので、電子音で何ができるのか。ということについては、詳しく説明できません。でもちょっとだけできる事を知ってます。それは、ギター等のベーシックなバンドサウンドには出せない、一線を越えた浮遊感を演出できる事です。本作はまさにバンドサウンドと電子音の絡みあった、浮遊感こそ武器でありセールスポイントのアルバムです。

Track:01はタイトルナンバー。ちょっと不思議な環境SEで、汽空域の世界の始まりを告げます。Track:02はボヘミアンな雰囲気の漂う、大局的で物事を達観視してるかのような懐の深いロック。Track:04の感想はこちら。Track:05は意表つくエッジの効いたハイテンションな曲。シンプルにカッコよく、ドラムが暴れまくってるのがたまらんですな。Track:08はアートワークとアルバムコンセプトを体現した浮遊感のある電子ポップです。あっさり系なパーカッションと、響く電子音による揺らめく様な淡い演奏は非常に繊細です。Track:12は一瞬パワーメタルのような掛け合いが聴こえる気がするけど気のせいかな。シットリ締めており、このアルバムがどういうアルバムなのか再確認させる曲です。

まさに「汽空域」を表現するコンセプトアルバムで、パーカッションやギターの細部にまで、作品のイメージを壊さない程度のバリエーションを持たせており、やり切った感のある清々しさがあります。求心力のあるキャッチーな曲も存在し中々満足のできる作品ですな。ただTrack:10はタイトル・曲含めコンセプトとは反してる感があり、他が丁寧な割にこういうとこ削れてないのがちょっと残念な気もしました。