22年前、私はこの世に産み落とされた。

貧乏ながらも大切に育てられた。

赤ん坊のころということもあり全く記憶にないが、住んでいたアパートが火事になったらしい。

「火事だー!」

母は声を張り上げながら私を抱え外に飛び出した。手には赤子のみで。

直感的に生きる母は、生きる術、それも原始的な意味での術を知っている。

触覚と同じような働きをする機能を備えているのかもしれない。

野性的な母と文学に取り憑かれた父。

現実的なA型と現実逃避が好きなのB型。

2人の遺伝子を受け継いだ私の体には、彼らの要素がふんだんに盛り込まれている。