［由来］

金使いの荒さやギャンブル、喧嘩、女性関係などにまつわる常識はずれの豪快エピソードに事欠かないレジェンド映画俳優が思うところあって政治家へと転身すると、その抜群の知名度や人脈、経済力などをフル活用して遂に内閣総理大臣にまで上り詰めた。早速閣僚の任命に臨んだ総理は、事もあろうに自分の愛人15人全員を各大臣に登用。この暴挙に対し当然非難の声をあげたマスコミに対して「いいんだよ、細けぇーことは!」と言い放ったことから、国民も「まぁ、あの人ならしかたないか…」という半ば諦めの気持ちで「豪快内閣」の称号を与えるのだった。

［足跡］

この「豪快内閣」ならではの政策と言えば、300階建のビル、全長100kmの橋、琵琶湖10杯分の貯水量を誇るダムなど、とにかく常識外れに巨大な施設や建造物を作ることで内需拡大・地方経済活性化などを図る豪快な経済対策が挙げられるだろう。まさに時代遅れの大艦巨砲主義とも取れるこれらの政策だが、衰退する一方の国家の現実を忘れてひとときのデッカイ夢を見たい、という国民の潜在的願望と奇跡的にシンクロしたということなのか、意外にも好評を博し、内閣自体も高支持率を獲得するのだった。これにすっかり気を良くした総理は、消費税を10%から一気に50%に引き上げるなど、半ば暴走気味に生来の豪快な気質を解放したため、たちまちその人気を失うと、マスコミからの総攻撃を受けたこともあって「やってられるか!」とばかりに自ら総理の座を退くのであった。こうして国政を担う重責から解放された「豪快内閣」元総理と15人の閣僚兼愛人たちは、在任中に築いた海外の要人たちのツテを頼って南国に移住すると、格安で手に入れた無人島に暮らして家族を増やし、最終的には移住者も募って独立国家を宣言するという、まさに桁外れの豪快ぶりを全世界に見せつけたのであった。

■第46内閣『豪快内閣』