恋文パートⅡ
志庵 さんのご了解の元妄想させて頂きました。
恋文(バーチャルドラマ?)-24H
彼女との出会いは、ブログだった。互いのブログにコメントを残す
他のブログに書き込んだ彼女のコメント、僕のコメント
そんなやり取りをしていた、冗談で「会ってみたい」とコメする
「私も是非会ってみたい」、「じゃあチケット送ったら北海道来る?」
「絶対行く!」こんな冗談なコメレスから事が始まった・・
平凡な日常から、非現実的な時間を過ごすために
8月7日羽田発旭川行きAIRDO4731便のチケットを彼女、志庵に送った。
来る来ないの返答はコメントしないよう頼んである
彼女には彼女の生活があるし・・・一つの賭だ何よりそのほうがドキドキできる
9時7分、旭川空港に2分遅れで4731便が着陸
僕は彼女の顔は知らない、ただロングヘアーだと言うことだけ知っている
夏の北海道はシーズン真っ盛りで観光客が多い
ゲートをくぐる一行もそんな団体をがほとんどだパックツアーてヤツだ
団体がとぎれるも彼女らしき女性が見あたらない
「やっぱ、無理だよなぁ」心でつぶやいた瞬間一人の女性が目に入る
きょろきょろとあたりを見渡す仕草
キャリアウーマンと言った出で立ち、ロングヘアー
心が直感した「志庵さん?」、「○○さん?」
「良く来れたね?、嬉しいよ」
タイトスカートに、ジャケットスーツ彼女がどんな言い訳をして来たか想像は出来る
だがそんな野暮なことは聞くまい、せっかくの気分が台無しになる
「着替あるなら着替えてきたら?ラフな方が歩きやすいよ」
「じゃぁ、お言葉に甘えて」そう言うとレディースルームへ
数分後現れた、ラフな服装に着替えた彼女は思いの外スレンダーだった
「行こうか」そういい彼女のバックを持ち手を差し出した
一瞬はにかむ笑顔が可愛い、そう思いながら手をつなぎ車まで歩いた
僕は一路富良野に向けて車を走らせる、助手席にはまだ少し緊張している彼女
「今日一日は任せてね、北海道は移動距離長いから眠たい時は寝て良いよ」
「あーん、でも寝っちゃったらもったいない」確かにそうだなぁ
なんて会話している内に富良野へ着いた。勿論観光で有名なスポットも多い
が、=人も多い、僕はあまり知られていない場所をチョイスした
「綺麗、まだラベンダー見れるんだぁ」
さすがに遅咲きのラベンダーも色あせている、でも遠目に見ると確かに綺麗だ
限られた時間しか持ち合わせていないのがちょっと惜しい気がする
ニングルの森を二人で歩きショップを見て回る
可愛い物を見つけるたびに、優しい顔になる彼女がいた
子供に似合いそうなものを見つけると一瞬顔が曇る、それは僕も同じだ
一通り見て回りさらに森の奧へと連れて行く
そこには森の時計というドラマで使用した喫茶店があるからだ
日曜日、さすがに人が多い・・・席無いかなぁ?そう思いつつも店内へ
ラッキーなことに席がある、さすがにカウンターは空いてない
ドラマで大竹しのぶのが常に腰掛けていた椅子が思い浮かぶ
二人は、窓際の椅子に腰掛け、ドラマのようにコーヒー豆を自分たちで挽く
その香りが自然と心を落ち着かせてくれる
「どうしてチケット送ってくれたの?」、「ん、会いたかったから」
「それと、違う時間を過ごせそうだったからかなぁ」
「志庵さんは?どうして」、「んー会ってみたかったのと、現実逃避?かなぁ」
「ま、訳なんて・・・今こうやって二人でいることがオレは嬉しい」
「・・何かドキドキしちゃう、そう言う台詞」
たわいのない会話、一瞬見つめ合う瞳
森の時計を後にし、富良野の観光スポットを一通り見て回る
そのたびに「すっごーい」「ひろぉーい」を連発の彼女
富良野市内で昼食をすませ隣町の美瑛へ
パッチワークの丘を抜け、ケンとメリーの木を見
セブンスターの木へ「へェ~珍しい、誰もいないネ」
「そうなの?」、「うん、いつもは必ず観光客が何人かいる、時間帯かなぁ?」
セブンスターの木は真下まで行くことが出来る
手をつないだまま、木の真下へ。緩やかな丘の上に立つ一本の木と二人
僕はおもむろに「唐突でゴメン、キ、キスして良いかなぁ?」
非日常的時間を過ごすならこれぐらい唐突な方がいい気がした
「エっ」次の瞬間閉じられた彼女の瞳を合図に
ほんの一瞬唇を合わした、触れたか触れないか解らないくらいの
「誰も見てないよなぁ?」
「何かすごいドキドキした、でも新鮮な感じ・・・」、「あ、それオレも一緒♪」
「じゃ次行こうか?」「もう?」「だってほらあっちにいる二人来たそうだよ」
そう、いつの間にか若いカップルがいた。見られたかなぁ?
「あの二人もしたいんじゃない?木の下でキス」「かもネっ」
車に乗り込み、抱擁しさっきよりほんの少しだけ長いキスをしてエンジンをかけた
「次はどこに行くぅのぉ?」「ひ・み・つダヨ」時計は3時を回っていた・・
それから2時間半かけ日本海の見えるところまで車を走らせる
時々彼女の顔が不用意に上下する、「寝ていいよ、たいした景色じゃないから」
「うううん」といいつつも静かな吐息が聞こえる
僕はカーステのボリュームをそっと下げた
「志~庵ちゃん、着いたヨッ」 「ゴメン寝ちゃった・・・」
日本海を望める山腹にあるコテージ、大好きな夕日が見える
「もう40分ほで日が沈むよ」そう言うとテラスのドアを開けた
テラスに二人で出る、細身のワイングラスを彼女の手に渡し
小樽の白ワイン、ナイアガラを注ぐとワインの香りが二人を通り抜ける
軽く乾杯し口に含むみ、すがすがしい味と香りがのどを過ぎた時
そっと志庵を抱き寄せた、沈みゆく太陽の赤い光が夜を予感させるほど
紅に染まっている