③番お願いしようかな。
出来上がったのを夫に読み聞かせたら、やきもちやいてくれるかな?
ちなみに夫は日本語がめちゃくちゃな人なので(笑)手紙は期待できない・・・だから、妄想おやじ殿の恋文、楽しみにしています(^^♪と言うyuzuさんのご要望にお応えしまして恋文ーたまゆらの恋をUPしました

HANA




いきなり手紙を渡されてさぞ驚かれた事と思います


始めに年甲斐もない行動を取りお詫びいたします



私はけして変質者でもなければストーカーの類でもありません


この先の私がつづる事を読む読まないはあなたの自由ですが
願わくば読んで頂けると信じお書きします





私は50を少しすぎた普通のサラリーマンです
営業をしておりまして、週に一度あなたのお住まいの前を通り
得意先を回る、そう言う仕事をしております


私があなたを初めて見かけたのは半年ほど前でした
ちょうどお子さんを学校に送り出している時だったと思います


よくある、普通の風景そんな風にしか思っていませんでした


それからというもの同じ時間帯にこの道を通るとあなたをお見かけしていました


特別な感情を持ったわけでもなく
ただ、ぼんやり眺めておりました

いつだったか、送り出すお子様を見る顔が寂しそうに見え
年頃的に反抗期かなぁなどと思いながら眺め


又、ご主人と思われる(きっとそうですよね)方を送り出す時のお顔が
とても悲しそうに見える事もありました

仕事柄、毎日色々な景色や、人をお見かけするので
特に気にとめていたわけではないのですが
お顔から何かしらの悲しさを感じたのを覚えています


そんな事が何度も続く内、今日は?と思うようになっておりました

まあ、今の世の中たいていの人は疲れた表情をしています


長年営業をしていますと表情で何かしら分かる事もあります
失礼ながら、皆疲れているんだなぁそう思っていました



そんな中、ひつ気づいた事があります



あなたが、私の亡き妻に似ているという事です


仕事で忙しく、家庭の事をあまり返り見る事が出来ず
生前の妻が良くそんな顔をしていたのを思い出したのです


そう思うようになってからあなたの事が気になり出し


仕事と、二人の子を抱え女性を見る余裕の無かった私が
本当に何年かぶりで女性に目が行く、それも特定の方に

驚愕しました、よもやそのような感情を再びもてるとは・・


たぶん、次男が就職し、どうにか子育てが終わり
少しだけ、心にゆとりが生まれたのかもしれません

そうなると、週に1度訪れるこの道の仕事がなぜだか楽しくなりました

少し曇りがちなあなたを遠目から見かけるそれも、一瞬


いつ頃からだったかな?たしか春頃からだと思います
あなたの表情が明るくなり出しましたね


にこやかにお子様を送り出す事が増え、それはご主人を送り出す時も

勝手な想像で、家庭の中が穏やかになってきたのかな
そんな風に思っていました


本当に人の家庭を勝手に想像してすみません
ただ、あなたの明るい顔を見るとなぜか自分も嬉しくなり
にこやかな顔が私のところまで幸せを運んできたような感じでした


私のような50過ぎの男がこんな風に和やかな気持ちになれる
そう言う事ってあまり無いんですよ

だから私にとって、車で通りすぎる一瞬に見かける
あなたの穏やかな顔がなんとすがすがしく感じられた事か


妻が他界して10年


生きていく事、子供を育てる事で精一杯だった私に
妻がくれたプレゼントのような感じがします

人を、女性を好きになるという気持ち、感情


そんな物をとうに忘れていた私に


あなたは、素敵な気持ちを呼び起こしてくれました

家庭をお持ちのあなたに


こんな事を告げるのは大変失礼だと思い悩みました
失礼に当たると思い何度気持ちを抑えた事か


私は、あなたの家庭を壊そうとも思っていませんし
お付き合いして欲しいと思っているわけではありません
あり得ない事ですし・・・


ただ、人事異動が発令されてからというもの


心の中のモヤモヤが一つの形になり

伝えるべきかどうか迷いに迷い

何か、亡き妻が後押ししてくれているような気がして



お伝えする事にしました。あなたに恋をしています


ハァ書いてしまった



まるで中学生が書くラブレターのようで恥ずかしさでいっぱいです

きっとこの手紙をあなたに手渡すとき
私の手は、思いの外震えている事でしょう


なんと言って手渡しているか?たぶん声はうわずり
顔が赤くなっている事でしょう


お恥ずかしい限りです



でも、ここまで読んで頂けたという事は

私の気持ちをお伝えできたという事です


勿論この恋心は、たまゆらな恋だと思っています

それでも良いのです、もう一度女性を好きになる事が出来た

愛する事が出来た、今はただそれが嬉しい

この手紙をお渡しした瞬間が

あなたにお会いする最初で最後になると思います

来週は新任地へ赴きますから・・・


私を、一瞬お会いしただけの私を忘れないでくださいとは言いません

ただ、最後まで読んで頂き本当にありがとうございます


願わくばあなたの笑顔が永久でありますように






乱筆乱文にて






古 井 文 男





追伸 女性に手紙を出したのはこれで2度目となります
一通目は亡き妻への告白、そして二通目はあなたへの告白