6/12 ベルめるモ!(ゆるめるモ!×BELLRING少女ハート)参戦記 | アイドルKSDDへの道(仮)

アイドルKSDDへの道(仮)

心に茨を持つ山梨県民こと「やまなしくん」のブログ。基本UKロックが好きですが、最近はもっぱらオルタナティブなアイドルさん方を愛好しています。

ゆるめるモ!とBELLRING少女ハート(略称ベルハー)…いわゆる「地下アイドルシーン」最強のこの2組は、これまで何度も対バンを重ねてきた盟友である。が、今年からライブに通い始めた僕にとって、このツーマンは初めてとなる。加えて、モ!現体制としては最後のベルハーとのツーマンとなる。メモリアルなイベントになることは必至だった。

イープラスでチケットが発売されたが、発売当日に予定枚数に達し受付終了。これほどの人気だとは思わず、僕は当初チケットを買い逃してしまい猛烈に凹んだ…のだが、その後追加販売が決定。

無事にチケットを入手したときは、思わずガッツポーズしてしまった。なぜなら、僕はベルハーもかなり好きで、4月30日に TOKYO DOME CITY HALLで催されたワンマンライブを観に行ったほど、だったからだ。ベルハーのライブがもたらす独特のアート感、カオスそして高揚感を、僕は既に3回ほど体験していた。とても楽しみだった。

当日は、オープニングアクトとして、モ!のオレンジ担当ちーぼうとベルハーの朝倉みずほちゃんによる異色ユニット、Escalator or Elevator(略称エスエレ)が出演することになっていた。僕はエスエレの存在は知っていたが、ライブを観るのは初めてである、一体どうなるのか…。

白い靴、白い短パン、白いパーカー…と全身真っ白衣装の2人が歓声に迎えられてステージに登場すると、2人して横に並び、
「じーー」
とエレベータの扉が空くパントマイム。エスエレの自己紹介だ。

「ぶすぶすぶすぶすっ!ヲタクなら誰でもよかった、朝倉みずほです!」

「ちーぼうの"ち"は返り血の血! ちーぼうの"い"は韋駄天の韋! ちーぼうの"ぼう"は暴力の暴!ちーぼうです!」

ああ、そういえば以前に「血威暴」って書かれたTシャツを着たオタクの人を見かけたっけ。それを思い出しながら、その独特の自己紹介に度肝を抜かれた。そのサグい言葉とは裏腹に…ちーぼう、さらに可愛くなってないか?いや、正直可愛すぎてヤバいとか思ってるよ自分…

曲は2曲をやってくれた。2曲目ではパーカーのフードをかぶって、キッチュなサングラスをかけて、ステージをところ狭しと歌いながら歩き回っていた。曲は何とも「変」な感じのポップチューン。2人がラップする曲が脱力感ありつつもカッコ良い…! モ!とベルハーらしいサブカル感が満載だった。

MCでちーぼうが語ることによれば、もうすぐモ!からいなくなる(卒業する)けれど、エスエレは解散しない、とのことだった。話題に出た、「新しい曲を出す」ことはあるのか?…僕にとっての密かな楽しみがまた一つ増えたのだった。


ベルハーのステージが始まった。黒のセーラー服に黒い羽根をまとったいつもの衣装で、髪を振り乱してステージをかけ回り、ダンスしている様は、まったく他のアイドルグループでは味わえない独特のヴァイヴがある。「Room 24-7」のような静かな曲で、美しい照明に照らされながらのパフォーマンスは、(前回ワンマン観たときも感じた)舞台芸術感があった。アッパーな曲が楽しいベルハーのライブだけど、こういう静的な曲をより一層楽しめるようになれば、ベルハー上級者になれるんだろうな…そんなことを考えた。

「グローリア、グローリア…」と「憂鬱のグロリア」では僕も合唱した。洋楽ロック好きには最高な曲の連打!そして代表曲「the edge of goodbye」でフロアの熱は一気に上がった。メンバーのあーやんこと柳沢あやのちゃんは、オーディエンスの上を歩き、ステージから5m近く離れた位置で、ヲタちゃん達に身体を支えられながら歌っていた。ぐわー、「風の谷のナウシカ」かよ!

そしてあの至高のアンセム「asthma」が! フロアの真ん中に円の空白が生まれる!その周りをオーディエンスが「♪オーオーオーオー…」と大合唱しながらサークルモッシュを始める!僕もその渦の中に突っ込んでいった…



「そして ぼくらは命からがらで
 遥かな地平たどり着く
 夜明けの星は真っ白に溶ける」


モッシュの中でもみくちゃにされながら、僕は胸の奥底から湧き上がるような高揚感を感じていた。力のあらん限り叫びたいような、言いようのない衝動が自分をつき動かしているのを感じていた。この曲には、ベルハーのライブには、そんな力がある。この瞬間、自分は完全に「肯定」されているのを体感することができる。そんな圧倒的な祝祭感! これこそ、僕がベルハーのライブでこれまで、そしてこのとき受け取ることのできた、最高の贈り物だった。

しかし、これで終わりではなかった。彼女たちは最後にダメ出しのブチ上げロック「c.a.n.d.y」をフロアにドロップしてきた!熱狂するヲタちゃんとゆるヲタ、間奏でダンスの振りコピをして、フロア左右に集団移動!…かくしてライブ終了。予想していたけれど、がっつり盛り上がってしまったのだった…


ゆるめるモ!のライブ、メンバーはカラーツナギ衣装で登場。
セットリストは次のとおり(出典:ファンの方のtwitter)

ゆるトロ
スキヤキ
ゆるめるモん
花のドイリー
私の話、これでおしまい
人間は少し不真面目
アントニオ(新曲)
idアイドル
逃げろ!
kawaiiハードコア銀河
Only you
さよならばかちゃん


花のドイリー」の冒頭では、(珍しく)あのちゃんが曲の振りを紹介。観客の振りコピを誘った。それに続く「私の話、これでおしまい」は、先月のライブで観たときから僕がむちゃくちゃハマっていた曲で、仕事中にこの曲を頭の中を延々とリピート再生するくらい好きだったので…聴けて本当にうれしかった。

そして、ここの落ちサビで、ヲタちゃん達、すなわちベルハーのオタクの皆さん方が、横断幕を広げた!それには
「もねちゃん♥ちーぼう ありがとう!!」
と書かれていた。そう、この曲の落ちサビは、来月卒業してしまう もねちゃんとちーぼうが歌うパートなのである。

「まだ こんなに寂しくて泣いているのに
 思い出になれば 美しいなんて怖いよね」


僕は泣きそうな心持でステージを眺めていた。その次には、神曲「人間は少し不真面目」が!!…ここが僕の個人的ハイライトだった。



続いて、MCを挟んで、待ちに待った新曲「アントニオ」が披露された。まだリリースされていない曲である。「眠たいCITY vs 読書日記」を思わせる、複雑なリズムを持った、しかし可愛らしいポップナンバー。サビの歌詞は、メンバーの卒業を踏まえた、超ストレートな歌詞であると感じた。が、そのトリッキーかつポップな曲調のせいで、センチメンタルな印象は全く受けなかった。一筋縄ではいかない、不思議な魅力を持った曲だ。早く聴き込みたい…そう思った。

「idアイドル」からは、定番のがっつり盛り上がる曲の連打。「Only you」の最後なんて、気がついたら…あのちゃんとしふぉん、さらにもねちゃんまでダイブしていたぞ!自分のすぐ目の前を3人のアイドルがクラウドサーフしている!!! 全世界よ見やがれ、これがゆるめるモ!のライブなんだ!!

しかし、それで終わりではなく、最後にはゆったりとしたナンバー「さよならばかちゃん」が用意されていた。やはりこれは「最後」であることを意識した選曲なのだろうか?そんなことを考えながら、6人の歌声に耳をそば立てていた。

メンバーがステージをはけた後、リフトされたゆるヲタさんが、これこそ魂の叫び、というような全力のアンコールを始めた。「ベルめるモ! ベルめるモ!」とのスペシャルなコールを、皆にあわせて僕も叫んだ。そして再登場。モ!のメンバー、そしてベルハーのメンバーも一緒に登場した。

全員ステージに上がったまま「夏の思い出をつくろう!」と始まったのは「なつ おん ぶるー」!ベルハーの皆はダンスはできなかったけど、みんな、思い思いにモ!のメンバーと一緒に楽しんでいた。フロアでは定番のサークルモッシュが始まった。僕はそれに加わって、ステージの至近距離に移動した。うれしそうなメンバーの笑顔を間近に見ることができた。

続いて、ベルハーの曲(の中でもひときわアイドル色の強い)「夏のアッチェレランド」が披露された。爽やかでポップな歌!モ!のメンバーとベルハーのメンバーが、肩を組んだりして一緒に楽しそうに歌っている、その様子は最高に幸せそうだった!それはフロアにいるファンの皆も同じだった!

 …実に素晴らしいライブだった。つまりオタク的に言うなら「神現場」だった…


* * *


物販でのチェキ会では、赤担当しふぉんと撮ってもらおうと決めていた。僕は先日の「下北沢サウンドクルージング」で観たモ!のライブについてtwitterで投稿したところ、しふぉんにリツイートしてもらったのである。その「お礼」を伝えたいと思った。

僕の出番が来ると、しふぉんちゃんは開口一番
「お久しぶり!」

「(!!!)…覚えていてくれたんですか?」

驚いた。最近はライブに何度も足を運んでいたけれど、しふぉんとチェキを撮ったのは約1ヶ月少し前の「エムトピフェス」以来。今回はまだ2回目だし、twitterのリプライもたまにしか送っていない。なのに、覚えていてくれるなんて!

twitterのリツイート件を話したら、それを思い出してくれていた。僕のことを「いつもバンドTシャツ着てるイメージ」と言ってくれて、僕のことを「認知」してくれている?のが決して嘘ではなさそう…というのが分かった。(ちなみにこのとき、僕はイギリスのバンドThe Stone RosesのTシャツを着ていた。)

「いやー、でも最近はアイドルさんのTシャツが増えちゃって…」

「他にはどんなのが好きなの?」

「ああ…今日はここに来る前に、Maison book girlやハウプトハルモニーやライムベリーが出るイベント観てきました…」

「そーいうの好きなんだ!今一番は誰?」

「いやー、でもマジで今の一番はゆるめるモ!ですよ。最近めっちゃ(現場に)通ってるし…」

…っしゃあ!」と、やたら気合の入った相槌を入れるしふぉん。最近分かったことだが、アイドルは、チェキ撮影に来るオタクが、他のアイドル現場にも通っていることを知っている。てゆうか、それを前提に話をしている。自分とチェキを撮ってくれるからといって、一番のファンとは限らない。…だから、モ!が一番好きだということを話すことができて、良かったと後で思った。

それにしても、マジか。アイドルさんに「認知」されるという僕の夢が叶ってしまった(らしい)なんて。しふぉんはメンバーで一番頭が良くて記憶力も良い、ということは伝え聞いてはいたけれど…ああ、これでまた一つ、僕がアイドルから離れられない理由ができてしまった


僕は7月10日のワンマンライブに行けないので、最近ヤバいくらいに有り金をはたいて モ!のライブに通ってきた。が、僕が6人でのライブを観られるのも、あと1回…の見込みだ。その日は、卒業するメンバー、もねちゃんとの永遠の別れの日になるかもしれない。僕は泣いてしまうのだろうか? …物販で買った、昨年ZeppDCでのワンマンライブを収めたDVDを観ながら、その日を迎えようと思った。

(おしまい)