4/10「ギュウ農フェス」ライブレポ③~BELLRING少女ハート,BiSH | アイドルKSDDへの道(仮)

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心に茨を持つ山梨県民こと「やまなしくん」のブログ。基本UKロックが好きですが、最近はもっぱらオルタナティブなアイドルさん方を愛好しています。

 さて、BELLRING少女ハート(略称ベルハー)。いわゆる「地下アイドルシーン」のなかでもトップクラスの人気を持つこのグループを、僕は以前からずっと気になっていた。YouTube等で観る初期のステージは歌もダンスもヘロヘロ…なのに、上手になるのではなくヘロヘロのままでブラッシュアップする…という特異な方法論をたどった稀有なアイドルだった。

そして観た、昨年の「夏の魔物」。そこでは、狂ったヲタちゃん(=ベルハーのオタク)達がステージをつなぐ花道を占拠し、旗を振り、サークルモッシュを始め、花火に火を付け…それはまるで暴動のようだった。硝煙の立ち込める中で観たあのステージ・会場の信じられないような光景を、僕は生涯忘れることはないだろう。あまりにも衝撃的な体験だった。




そして何より僕の興味を引いたのは、その楽曲だった。僕はもともとUKロックが好きで「UKロックとアイドルが融合すれば最高なのに…」と常々思っていた。で、ベルハーを聴き進めるうちに「え、もしかしてこれが…それなんじゃね!?」と、気づいてきたのである。明らかに、The VerveやblurやKula Shakerを意識したと思われる楽曲があった。そして、最新のアルバムに収録された問答無用のアンセム「asthma」のコーラスパートは、明らかにColdplayのViva la vidaだった!「マジ最高だろ!てゆうかこの曲、もう俺の中ではコールドプレイを完全に超えてるよ!」…というわけで、僕は早晩ベルハーのオタクになるだろうと予想していたのである。

とは言え、まだアルバムを聴き込んでいたわけではなかった。なので、熱狂するヲタちゃんたちに混じるつもりはなく、様子見かなぁ…という心持でいた。が、しかし…イントロに次いで放たれた曲は、あのblurの「Song 2」のオマージュで超カッコイイ「c.a.n.d.y.」ではないか。ここで一気にテンションブチ上がって、僕は熱狂するヲタちゃんたちの渦に突っ込んで行った…



メンバーはステージ上で、ところ狭しと動き回っていた。ダンスが上手いとかそういう感じではなかったけど、パフォーマンスは激しくて熱のこもったものだった。

そして、一番聴きたかったあの「asthma」も演ってくれた!ヲタちゃんたちは円を作り…あのコーラスパートで「オ-オーオーオーーオーー…」と歌いながらサークルモッシュを始めた!それに僕も加わった!あああ、何という多幸感!

楽しかった。そして予定外の体力消費!その後屋外のスペースに向かうと、隣に位置するサブステージでPOPが2回目のパフォーマンスを繰り広げていたのだが、それを観戦する体力は残されていなかった。ここで回復し、次のBiSHに備えなければならなかった。


今回の「ギュウ農フェス」の、個人的最大の目当てはBiSHだった。もともと僕は先代のBiSをきっかけにアイドルにハマった人なので、BiSHの存在は立ち上げ当初からウォッチしていた。「BiSの二番煎じとか正直微妙だわー」と思ったのもつかの間、楽曲の素晴らしさとメンバーのかわいさにどんどん惹かれていった。

初めて観たライブは昨年の「夏の魔物」でのことで、2回目のライブは今年1月のディファ有明でのワンマンライブだった。そして今回3回目。前回ステージが少々見にくい位置だったので、今回は、ぜひとも近くで観たいと思っていた。そして、この日の前日、僕はBiSHの曲を泣きながら聴いていたのだった。それくらい好きな気持ちがあるのである。だから、最高の状態でライブに臨まなくてはならないのである。

一曲目は「MONSTERS」。清掃員(BiSHのオタク)達は、フロアの真ん中にスペースを作った…!?で、「モンスタアーーー!」とのアイナ・ジ・エンドの雄たけびとともに、その真ん中に突っ込んだ!(ウォール・オブ・デスという危険なモッシュ) 



それによって引き起こされたカオスの渦に僕も巻き込まれた!さすが清掃員!

ライブパフォーマンスは素晴らしかった。先日の「CDジャーナル」にBiSHの特集記事があったのだが、そのインタビューで、BiSHのメンバーがダンスの技術向上に向けて真剣に話し合い練習を重ねていたのを知っていたので、その研鑽の成果が表れているな、と感じた。歌もダンスも拙いところが全く感じられなかった。スキのない、堂々としたステージだった。

新曲「DEADMAN」も披露された。言葉を叩き付けるようなアイナのボーカルがとてつもなくカッコイイ! 



「スパーク」や「サラバかな」では、僕は歌詞を一緒に(口パクで)歌いながら、涙が出そうになっていた。曲と、歌詞と、ステージ上のメンバーに自分を重ねていた。それはエモーショナルで感動的なひと時だった…

そして、代表曲にしてキラーチューン「星が瞬く夜に」が始まり、清掃員たちはMIXを打ち、ライブはクライマックスに突入するようだった。

…だが、「それ」は起こった。

Aメロが始まるやいなや、音が突然切れたのである。ダンスの振りのまま固まるメンバー達。…その場にいた僕を含む観客は、瞬時に理解した。誰かがリフトしたのである。

BiSHのステージが始まる前に「リフト禁止」のアナウンスがなされていた。それ以前、このイベントのオープニング時の挨拶でも、主催者・ギュウゾウ氏は「BiSHはリフト禁止。それぞれのルールで楽しんでほしい」旨を語っていた。

ステージ袖へとはけるメンバー達。「いや、でも、しばらくしたら再開するでしょ!」と僕はアンコールの拍手を皆としていたのだが…無情。ギュウゾウ氏がステージに登場した。

観客「えー!」 
ギュウゾウ氏「俺だって「えー」だよ!」

というわけで、ライブ終了。直後に「オッサンの方のP.O.P」(宇都宮出身の双子MCを擁するヒップホップグループ)が出てきた。フロアを埋めていた黒い「IDOL」Tシャツを着た清掃員の大半が帰りはじめて、フロアは一瞬閑散とした。そんな中で、次の出演者、アフィリア・サーガが登場。「あー、すいません!」と心の中で謝りながら、僕もフロアを去った。

BiSHのライブは最高だった、あの中断までは。やはり不完全燃焼感は拭えない。複雑な気持ちだ。悔しい気持ちはある。だけど、きっと一番悔しいのはメンバー達なんだろうな…そんなことを考えながら、BiSHの特典会を待った。


そう…メンバーとチェキを撮りたいがためにCDを複数枚買うという、アイドルオタクにありがちな振る舞いを、ついに僕もするようになってしまったのである。といっても、今回はCD2枚で1人とチェキだし、CD2枚は友人にプレゼントする予定なので、無駄にするつもりはない。合理的な判断のうえでの行動である(俺の中ではな…)。

BiSHの危ない熟女ことハグ・ミィのチェキ列に並んでいると、僕の前にチェキを撮っている清掃員さんは、な、何だと…ハグミィとHug Meしているではないか!?え、それアリなの!?だけど俺にはハードル高すぎるよ! …というわけで、普通にピースサインでチェキに納まった。

「twitterやってる?」「何度かイイネもらったことありますよ!」「ライブ何回目?」「えっと3回目かな…この前のディファ有明のとき、初めてリプもらいました!」「したかもー!」「またライブ観に行きます!」
…こんな会話を、若干緊張しながらハグ氏と話した。けっこうお話しできて良かった…。

ここで本懐を遂げ、会場を後にした。入り口で友人Y氏を待っていると、校庭カメラガールツヴァイのメンバー達が普通に歩いてきて、駅へと向かっていた。

その後はY氏と居酒屋さんで打ち上げをした。ライブはぼっち参戦デフォルトな自分にとって、こういう機会は有り難く、楽しかった。酒を呑みながらtwitterを覗くと、デスラビッツ神崎部長がBiSHのライブ中断について投稿していて、その言葉に二人でいたく感銘を受けたのだった。





ギュウ農フェス、行って良かった。とっても楽しく有意義なイベントでした。今後も続けられるかどうか、ギュウゾウ氏は戦々恐々?のようですが…音楽シーンのためにも、栃木のためにも、ひいては他の地方のためにも…がんばってほしい! 今後も催されるとすれば、チェックしない手はない。音楽ファンは注目だよ!

(おしまい)