(理佐side)









ねぇ、由依。


今あなたはどんな月を眺めてみますか?



あなたが教えてくれた蒼い月は、



























私には見えません。
























(3年前)








理佐・ねぇ、由依

由依・ん?

理佐・毎日月眺めて楽しい?

由依・うん。楽しいよ

理佐・そうかな、

由依・月の形ってさ、毎日変わるでしょ?

理佐・んーあんまり気にしたことない。

由依・月って言っても、色んな色があるんだよ?

理佐・え?白だけじゃないの?

由依・えぇ?(笑)なにその反応

理佐・知らなかった…。

由依・あはは(笑)

理佐・そんな笑わなくてもいいじゃん

由依・ごめんごめん(笑)

理佐・…由依は何色が好きなの?

由依・……蒼い月((ボソッ

理佐・え?なんて?

由依・いや、ううん(笑)なんでもない、どんなのでも好き。








あの時ちゃんと、由依の言葉を聞き取れていたら、私と由依はまだ付き合ってたというのだろうか。














由依・理佐、ごめん。他に好きな人出来た

理佐・え?

由依・そういうことだから。

理佐・由依!






あの日、由依の腕を掴んでいたら、私の前から由依がいなくなることはなかったのだろうか。














ひかる・理佐さん?

理佐・え?あ?ん??

ひかる・やっぱり聞いてなかったんですね…

理佐・…ごめん。

ひかる・今度出る特集のことですよ。

理佐・あ、そうだね。ごめん

ひかる・まぁ、いいですけど。考え事ですか?

理佐・いや?ぼーっとしてた。

ひかる・なんで理佐さんって人じゃなくて月の写真ばっかり撮るんですか?

理佐・んー、人より自然の方が好きだから。

ひかる・ふーん。












私が月を撮る理由。




由依が見つけて、私に会いに来てくれるんじゃないかって思ってるから。





そんなあやふやな理由で、月を撮ってるなんて言ったら由依は怒るんだろうな。


























・綺麗な写真だな……。理佐さんって人…(笑)