東京タワーが竣工したのは1958年12月23日、

日本は高度経済成長の真っただ中、

日本人は明るい未来を信じて生きていた。

明るい未来を信じていたのはアメリカも一緒、

1957年7月から1958年12月までの科学プロジェクト

INTERNATIONAL GEOPHYSICAL YEAR : 国際地球観測年で、

科学がもたらす明るい未来を喧伝していた。

東京タワーはまさにその年に生まれ、輝かしい日本の未来を象徴していた。

今の東京タワーは週末でも展望台に上る行列はなく、

漫画ワンピースのアトラクションでなんとか人を集めようとする作戦。

時代である。











BGMに選んだDonald FagenのI.G.Y.は、


INTERNATIONAL GEOPHYSICAL YEAR の略、


そんな東京タワー建設当時の希望に溢れた未来観、


例えば、ニューヨークからパリを海底列車が90分で結び、


太陽エネルギーがすべてまかない、気候もコントロールされている、


1976年までには全部OKになる、なんて夢を歌っている。


この歌が発表されたのは未来が大違いだったことがよくわかった1982年、


ノスタルジーでありかつ逆説的な皮肉の歌だったわけです。


日本の高度成長が終わり、ローマクラブが「成長の限界」を発表して、


やがて来る資源の枯渇や食糧問題など暗い未来図が一般的になった1974年、


東京タワー近くに建てられた特徴的なビルがこれ。











硫酸銅仕上げの楕円筒形、下部はレンガ造り、窓は少なく縦長スリット、


新興宗教の教会かと思うような外観だが実は普通のオフィスビル。


斬新なデザインは今でも目を引くものの、汚れて老朽化した様子は


当時の楽観的な未来観のなれの果てのようで、なんとなく切ない。













街:東京都港区




音楽:Donald Fagen - I.G.Y.