こんにちはMeritです!

 

稲毛の魅力を知るために、まずその歴史を知ることも大事だと思います。そこで今回は稲毛にある千葉市地域有形文化財の一つ

「千葉市ゆかりの家」に行ってきました。稲毛に学ぶ大学生の皆さんにとっても稲毛をもっと知るいい機会になると思います。この場所は

大学生も数名来ることがあるそうですが、文化財として知っている人はそれほど多くはないのではないでしょうか。

 

「千葉市ゆかりの家」は、稲毛浅間神社の隣に位置し、1913(大正2)年に東京の実業家の方が別荘として建てたと推定される昔ながらの

造りの家です。1937(昭和12)年に中国の清朝の最後の皇帝・愛新覚羅溥儀(あいしんかくらふぎ)の弟の溥傑(ふけつ)と妻の浩(ひろ)

夫婦が半年ほど新婚生活を送った場所であり、NHK総合番組「歴史秘話ヒストリア」でも紹介されました。

 

① (正面玄関)

 

入口をよく見ると、ハートのような形をした懸魚(げぎょ)と呼ばれるものがあります。

これは「ここから下が家事にならないように」という願いが込められたお守りだそうです。

 

② (懸魚)

 

家の中は多数の意匠が施されており、当時の和の雰囲気がそのまま残されています。

 

③ (亀甲格子の棚間)

 

④ (格天井と電灯)

 

また、家の中には当時の溥傑夫妻の写真や、書家でもあった愛親覚羅溥傑の書などが展示されており、当時の幸せな生活が窺えます。

 

⑤ (藤棚での二人の写真)

 

⑥ (日々の暮らしの写真)

 

⑦ (展示書と家系図)

 

晩年の溥傑氏が当時の生活を振り返って詠んだ漢詩からは、浩夫人と稲毛で過ごした束の間の日々が

かけがえないのないものであったと読み取れます。

 

⑧ (漢詩のレプリカと説明文)

 

{漢詩の訳}

(前略)

新婚当時は琴瑟相和して仲がよく、まるで夢のようだった。

短い期間ではあったが、想い出すと我を忘れてしまうほど幸せだった。

愛しい妻の姿と笑顔は今は何処に。

昔のままの建物と庭を見ていると恋しい情が湧いてくる。

君と結婚したその日のことが目の前に浮かび、

白髪いっぱいになった今にかつての愛の誓いを思い出すにはしのびない。

(後略)

*愛親覚羅溥傑・浩 著(福永 嫮生 主編)(2014) 「愛親覚羅溥傑・浩 書画集」中央公論事業出版、62項より抜粋

 

庭にはたくさんの自然があり、野花を目的に見に来る方もいるようです。

 

⑨ (庭の風景)

 

家の裏には白雲木(はくうんぼく)と呼ばれる木があります。5月のG・Wの時期にしか花が咲かないため、今回は見られませんでしたが

季節には白い子花を鈴なりにつける姿が白雲に見えることから、その名がついたのだそうです。

 

⑩ (白雲木についてスタッフから説明を受けている様子)

 

⑪ (白雲木の花)

 

⑫ (白雲木の実)

 

この白雲木は夫妻の次女である、福永嫮生氏から寄贈されました。この木は、皇室と縁のある溥傑の妻の浩氏が

貞明皇后から種子を拝授した白雲木の孫木だそうです。

 

今回は「ゆかりの家」を通して、今まで知らなかった稲毛の一面を知ることができました。

関係者の皆さん、説明してくださった須田さん、ありがとうございました!このブログを読んで稲毛の歴史に興味を持った方や

昔ながらの雰囲気を感じながら木々を眺めてゆっくりしたい方におすすめです。是非一度、訪れてみてください。

 

なお、この「ゆかりの家」に関連してこの家から10分圏内にある旧神谷伝兵衛稲毛別荘もおすすめです。

残念ながら現在は耐震工事の関係で休館となっていますが、こちらもゆかりの家同様に稲毛の歴史が感じられる趣のある家です。

 

 

所在地:千葉市稲毛区1-16-12(国道14号線浅間神社大鳥居脇)

公開時間:午前9時から午後4時30分

休館日;毎週月曜日・祝日(5月3日~5月5日は除く)・年末年始 *月曜日が祝日の場合は翌日も休館

飲食:原則禁止

入館料:無料

予約:基本必要なし。ただし団体で来る場合は事前連絡

問い合わせ:千葉市ゆかりの家・いなげ TEL 043-244-5370

アクセス:京成稲毛駅より徒歩7分/JR稲毛駅より徒歩14分

 

 

JR稲毛駅の西口から出て、交番のある交差点を右に進み、大通りを道なりにまっすぐ行きます。途中京成稲毛駅を通過し

さらに道なりにまっすぐ行けば、浅間神社があり、その先にゆかりの家の入口があります。