このところ物価が上がってきています。

消費者物価指数は前年同月比で2023年1月に今世紀最高値の+4.3%を記録し、最新分(10月分)でも+1.8%となっています。

 

日銀の生活意識に関するアンケートによると9月の段階で『5年後に物価が上がる』と回答している人の割合は83.6%にものぼり、平均値で7.9%物価が上がると考えられているようです。

 

 

日本銀行より引用

 

 

もしインフレ率+2%がずっと続くとすると、退職金2200万円は10年後には1798万円、20年後には1469万円分の価値しかなくなるという試算が出ています。

つまり円の価値は年々下がっていくということになりますが、額面が変わっていないのでそれに気付いていないのです。

 

野村アセットマネジメントより引用

 

よく「投資は怖い、貯蓄は安全」という声を聞きますが、それは「円に投資」しているという事実に気付いていないだけです。

インフレが進行するということは円の価値が下がっていくということなので円貯蓄は全然安全ではないのです。

 

では株式投資は本当に危険なものなのでしょうか?

もちろんリスクの高い投資方法は沢山あります。その中で最も安全なものがインデックス投資といって日経平均やTOPIXといった指数に投資するものです。

なぜインデックス投資が安全なのかというと、指数と言うのは多くの銘柄で構成されているから、つまり採用されている銘柄の多くが上昇すれば一部の銘柄が低迷していたとしても株価は上昇するからです。

 

よく「投資にはリスク分散が大事」と言われます。

例えば「いきなり!ステーキ」で有名なペッパーフードサービスは下表のように2017年10月30日の8230円から現在は197円と7年のうちに41分の1にまで株価は下がってしまいました。

有名な日産自動車も2015年6月3日は1350円あった株価が現在は402.2円と9年ほどで3分の1以下にまで低迷してしまっています。

一方で同じ自動車業界のトヨタの株は同じ期間で1703円から2615.5円と54%も上昇しています。

 

 

 

だから1つ2つの銘柄に集中投資してしまうことは非常に危険ですし、できれば銘柄だけではなく業種なども分散して投資していくことがリスク管理としては非常に重要となります。

インデックス投資となればあらゆる業種に投資することとなりますし、銘柄数も日経平均ですと225銘柄、TOPIXですと2128銘柄と膨大な数の銘柄に投資したことになりますからリスク管理ができているということになります。

 

また、個別銘柄というのはインバウンド関連銘柄、戦争関連銘柄、半導体関連銘柄など上昇する銘柄は目まぐるしく変化します。

株というのは先取り競争なので上がりそうな銘柄を誰よりも早く探して買えるか、そしてブームが終わって急落する前にいち早く利益確定して逃げられるかという熾烈な争いです。

この争いに勝ち続けるには常日頃から多方面にアンテナを張り、幅広い知識と情報収集能力と多くのトレード経験が必要になります。

日頃仕事と家庭の両立に苦心している方々にはなかなかそんな時間は取れませんし、疲弊している中でそれだけの労力を費やして調べることも簡単ではありません。

それに比べて指数というのはA株のブームが終わって株価がしばらく低迷したとしても、B株のブームが来てくれれば株価を保つことができます。

2013年末と今の日経平均構成比トップ10の顔ぶれの変化を見ればそれは明らかです。

 

 2013年末               現在

ファーストリテイリング +10.48%  ファーストリテイリング +11.23%

ソフトバンクG     +6.66%   アドバンテスト     +6.05%

ファナック       +4.65%   東京エレクトロン    +5.83%

KDDI         +3.12%   ソフトバンクG     +4.65%

京セラ         +2.53%   KDDI         +2.47%

ホンダ         +2.09%   信越化学工業     +2.41%

ダイキン        +1.58%   TDK         +2.40%

トヨタ         +1.55%   リクルートHD     +2.37%

セコム         +1.53%   テルモ        +2.00%

アステラス製薬     +1.50%   中外製薬       +1.87%

 

どれが上がりそうだとか、多くの時間を割いて情報収集する必要もありませんし、頭を悩ませることもありません。

インデックス投資はタイパも考えれば非常に効率の良い投資方法ということになります。


株はインフレに強く、指数は長期的にみれば高確率で上昇していきます。

これを言うと「でも日経平均は株価が戻るまでにバブル崩壊から34年もかかったじゃないか」と言う人もいるでしょう。

なぜこれだけ時間がかかったのか、その理由を知るためにはPERという指標を見る必要があります。

PERとは株価が純利益の何倍かということを示していて、この倍率が高ければ株価が実力以上に高騰しすぎているという指標です。

バブル当時の東証1部のPERは61.7倍もあって非常に割高でした。実力を大きく上回って買われてしまっていたから株価が戻るまでに34年もかかってしまったのです。

 

 

三井住友DSアセットマネジメントより引用

 

 

 

そう考えると3月末時点のPERは16.5倍、現在も16.8倍と4分の1くらいしかありませんから、株価がバブル最高値を更新した状況であっても割高とは全く言えず、もし暴落が来たとしてもすぐに戻る水準であるといえます。

実際令和のブラックマンデーと呼ばれた時は7月11日から8月5日までの1か月弱で株価が26.6%も下がりましたが、そのわずか10日後に半値戻し、2か月弱経った9月27日には7割戻しとまだ最高値更新できていないとはいえ非常に早い回復を見せました。

 

 

 

 

米国の代表的指数であるS&P500での検証ですが、95年間どの時期に買っていたとしても6年後には勝率9割を超え、16年後には必ずプラスになっています。つまり第二次世界大戦があろうとなんだろうと長期で保有していれば必ずプラスになってきたのです。

私も日経平均を月末に買ったとして試算してみましたが、今世紀のどの時期に買ったとしても9年後には勝率8割を超え、11年後には勝率9割を超え、13年後には必ずプラスになっています。ITバブル崩壊直前やリーマンショック直前、コロナショック直前に買っていたとしてもです。

ブルームバーグラジオで「顧客のパフォーマンス調査をしたところ最も成績の良かった口座の持ち主は亡くなった人」なんてジョークもあったくらいです(実際は運用していることを忘れている人が1番だったようです)。

今後も経済危機や戦争や天災など様々な困難があることは間違いないでしょうが、数年十数年待てば必ず株価は戻るといっても過言ではないでしょう。

 

ビスポークより引用

 

 

と言ってもいきなり多くの額は投資できませんので、仮にバブル最高である1989年12月末(38915.87円)から毎月1万円ずつ日経平均に積立投資したとします。

2018年3月末時点で積み立てた総額は340万円ですが、資金は512万円と1.5倍に増えています。しかも2018年3月末の株価は21454.30円で今の株価は38053.67円と1.77倍になっていますからここで積み立てを止めていても2.5倍以上になっているという計算になります。

バブル崩壊直前という最悪のタイミングで投資を始めたとしても長期でみればこの成績です。

 

 

JPモルガンより引用

 

 

では何に積立投資をするべきかということでですが、最もリスクの低い投資信託として私がオススメするのはオルカンという全世界の株を買えるという商品です。

これなら100円以上なら買えるのでちょっと何かを節約してその分を将来の資金として投資すれば複利の力でどんどんお金が増えていきます。

お金に働いてもらうイメージです。

 

内訳を見てみると全世界といっても経済規模が圧倒的に大きい米国が63.8%を占めています。

「なら米国の指数を買えばいいじゃないか」と思うかもしれませんし、実際米国株だけの投資信託の方がパフォーマンスは良いです。

ただ、インドや中国などの新興国が経済規模を広げてきている中で、将来的に米国の経済比重が下がってきたとしてもオルカンなら定期的に投資国の比重を変えているのでローリスクで済みます。

 

 

三菱UFJアセットマネジメントより引用

 

 

ではどれだけパフォーマンスがあるかというと、日本で最も運用規模の大きいオルカンの投資信託が三菱UFJアセットマネジメントの運営している『eMAXIS Slim 全世界株式(オールカントリー)』で2018年10月31日に10000円でスタートして現在25962円と6年で2.6倍になっています。

ただ、この上昇は円安によるところも大きいので円安が一服して円高に向かいそうなこれからはこれまでほどのペースで増えていくことは難しいと思われます。

 

「オルカンに積立投資する」という投資方法は色々な人が推奨しているもので実演している人も多いことは4.5兆円というファンド運用規模の大きさで証明されています。

ただ、どんなに資産が増えたとしても分配型ではないので解約しない限り手元に現金は入ってきません。

将来に備えて年金感覚で買う分には問題ないのですが、今の生活を良くするためには適しているとはいえません。

 

 

ではどうすれば株で定期的に収入を得られるかということですが、答えは非常に簡単で「安く買って高く売ること」です。

これを言うと多くの人が「そんなの当たり前でしょ」と言います。

そう、当たり前のことをすればいいだけなのですが、皆それができていないから負けているんです。

これは日本株の代表的な指標の1つであるTOPIXの株価推移と投資信託の資金流出入額推移の資料です。

株価が上がって来ている時に資金が流入(購入)して、株価が大きく下がっている時に資金が流出(売却)しているのが分かります。

 

ダイヤモンドオンラインより引用

 

株価が上がってくると「もっと上がるかもしれない」と慌てて追いかけて、株価が下がってくると「もっと下がるかもしれない」と慌てて損切りする人が実に多いのが現実で、その結果「高く買って安く売る」という当たり前と真逆のことをしているんですから負けるのも当然です。

初心者の多くが評価額が買値よりも下がってしまうと「投資なんてやらなきゃ良かった」と頭を抱えてしまいます。

今まで説明してきた通り株価(特に指数)というのは長期的に見れば上昇していくものなので一時の上げ下げに一喜一憂する必要はありません。

むしろ株価が下がっている時というのはタイムセールなので買い増しする最高の機会なのです。

 

例えばコロナショックです。

誰もがコロナによる影響はそんなに長く続くものではないと分かっていたはずです。

それでも日経平均株価は前年末より30.9%も下がりました。ただその後すぐに急回復して11月にはコロナが再拡大していたにもかかわらず株価は今世紀最高値をつけています。

 

 

 

皆さんはスーパーに弁当を買いに行って半額になっていたらそこで買うのを止めて他の店に行くなんてことはしないでしょう。

でもなぜか株の世界ではそうしてしまうのです。それは「損をしたくない」という気持ちが結局損失を生み出す行動をとってしまっているのです。

また、株の価値が分かっていないからというのもあるでしょう。

弁当の場合は価値が分かっているから半額になっていれば迷わず飛びつきますが、株の正しい価値が分かっていないから2割3割安くなっている時にバーゲンセールだと思って飛びつけないのです。

株価は長い目で見ればこのように右肩上がりで上がっていきますし、インフレにも強いです。

 

三井住友DSアセットマネジメントより引用

 

 

なので株価が安くなっている時に買えばいいわけですが、仮に今暴落が来たとしてもどこが底値なのかを毎回ピタリ当てるのは絶対に不可能です。

世の中には「○○ショックを予測した凄腕アナリスト」的なキャッチフレーズを掲げてる人もいますが、そういう人は「チャイナショックが来る」とか数多く言い続けたうちの1つが当たったことを大々的にアピールしてるにすぎません。

 

それにもし当たったとしてもどの程度まで株価が下がるかをピンポイントで毎回当てることもまた不可能です。

思った通りのところまで株価が下がればそこで大きく買えば大儲けできますが、思ったほど下げなかったケースでは買いそびれてしまいます。

買いそびれることによって実質の損失は発生しませんが、こうしたケースばかりではいつまで経っても株を買うことができませんし、株を買えなければいつまで経っても儲けることもできないわけです。

 

なので金額を分散して買って、金額を分散して売っていけばいいわけです。

そうなれば思っていたほど下げなくても少しは買えるわけですし、大きく下げれば沢山買えるので株価が戻った時に大きく利益を出せます。

積立投資というのも同じような考え方なのですが積立投資が時間の分散によってリスクを減らすのに対して、こちらは金額を分散することでリスクを減らした上に利益を最大化するように仕組んでいるのです。

さらにこまめに利確することで、定期的に収益が入ってくるという利点もあります。

2021年から2023年前半というのは下表のように株価がなかなか高値を抜けなかった時期ですが、こんな時でもこまめに買って売ってを繰り返していれば着実に利益を積み重ねていけるわけです。

そして売るという行為は現金として戻って来る行為でもあるので儲けた分を出金すれば元本に手をつけないまま生活費を捻出することができます。

 

 

最近でも9月26日から10月3日までの前日比が+2.79%→+2.32%→-4.80%→+1.93%→2.18%→+1.97%なんてこともありました。

先ほど書いた令和のブラックマンデー時も12.40%下げた翌日には10.23%も戻しています。

上がったり下がったりというのが株の特性なのでそれを利用して下がったら買って上がったら売ってというのを繰り返していれば株価は横ばいでも利益が出せますし、株価自体がバブルに突入しない限りはリスクはほとんどありません。

 

 

ではどの商品を買えばいいのかということになりますが、金額を分散して買って売るのに適しているのは『NEXT FUNDS日経平均レバレッジインデックス上場投信(1570)』というETFをオススメします。

日経平均株価の2倍のパフォーマンスを誇るETFなので下がる時も2倍ですが、上がる時も2倍上がります。

これを株価が下がってきた時に金額分散して買っていけば、上がる時には2倍上がっていくわけです。

前回もお伝えしましたが、株価の底値をピンポイントで毎回当てることは絶対に不可能です。

なので高値から少し下がったところから買っていけば思ったほど下がらなくても買った分は利益が出せますし、大きく下がった時には最初に下がった分は一時的に含み損となりますが沢山買えることになりますので株価が戻った時には大きな利益を出せます。

 

日経レバも33650円から18885円と43.9%も価値が下がりましたが、10月15日には28890円まで戻しました。2か月ほどで底値の1.5倍になったということです。

4割以上も下がれば一時的とはいえ資産も大きく減るわけで精神的に厳しい状況ではありますが、前回もお伝えした通り長い目で見ればそういう時こそ買うチャンスなのでこういうところでしっかりと買える人が大きな資産を築けるわけです。

 

 

 

ただ、この方法の欠点を挙げるとすればこのところの日経平均の高騰により1口25670円まで価格が上がってきてしまっているので、これを金額分散して買うとなると30万円くらいのまとまったお金が必要になってしまいます。

そこまで資金がない場合には最初に挙げたオルカンで着々と積み立てて資金形成していくことが先決となります。

 

貯金していても額面が変わらないだけで価値が目減りしていくのですから、リスクが低くそれなりのリターンが得られる方法で資金を増やしていくことが現生活の助けや将来のゆとりある生活になると思います。

まして今は新NISA口座を利用すれば最大で1800万円まで非課税で運用できるわけですからこうした手段を使わない手はないと思います。