バベルの図書館

バベルの図書館

無限に拡散を続ける、
この広大な図書館のどこかに
他のすべての本の鍵であり、
完全な要約である一冊の本が、
必ず存在している。

おそらく無限数と思える六角形の回廊が、
際限なき階層として周期的に連なる、この広大な図書館に、同じ本は2冊ない。

本Aの所在を突き止めるため、本Bにあたってみる。
本Bの所在を突き止めるため、あらかじめ本Cにあたってみる。
この調子で無限に続けるのだ。

先人たちの知の遍歴の彼方。私も生涯を浪費してしまった。
宇宙の、ある本棚に全体的な本が存在するという話が、私には嘘だと思えないのだ。

無限に拡散を続ける、この広大な図書館のどこかに、
他のすべての本の鍵であり、完全な要約である一冊の本が、必ず存在している。
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【本日の音声ファイル】

第一章  コンテンツ・ビジネスとは、何か?     

第二章 『コア』 を見つけることの重要性      

第三章  コンテンツの価値を高める方法

第四章  読者を魅了する世界観の作り方 
  【図1】 自己認識の4つのマトリクス

  【図2】 ロジェ・カイヨワが定義した「遊びの要素」

  【図3】 マズローの欲求5段階説

第五章  コンテンツのバリエーションを増やす方法


こんにちは、スマイル毛玉です。


◆知識社会で、「価値」を生み出し続けるには、どうしたらいいのでしょうか?

私は,以前に書いた文章の中で
知識社会の到来と、情報通信技術の発達により
経済活動において、新たな「磁場」が現れ始めていることを指摘しました。

それは,
「クラウド・ソーシング」と呼ばれる「無償の共同作業」に象徴されるように
他者への貢献を軸とした「真の共同体」へと近づくような動きであり
人類の明るい未来を、十分に予感させるものでした。


「クラウド・ソーシング」や「フリー戦略」は、
インターネット上の都市に、公園や道路のような
私たちが無料で使用することのできるインフラを次々と整備し
誰にでも自由に利用できる空間を拡げていくでしょうし

そうすることで、さらに
「無償の共同作業」に加わろうとする人々を
ますます増やし続けていくでしょう。


しかし,その一方で
知識社会は、これからもずっと「商業的価値」を生み出せる土壌なのか
価値の劣化が激しすぎるのではないか
という疑問が生じてきます。

マイクロソフト社の電子辞書「エンカルタ」は,
「クラウド・ソーシング」の威力によって、
事業価値がゼロになるまで削られたし

サンマイクロシステムズのチーフサイエンティストだった ビル・ジョイは、
自社の技術的な知識のうち、毎年20%が、
商業的価値をなくしていくだろうと、見積もっていました。


◆工業社会から、知識社会への移行にともない
工業社会に見切りをつけ、知識社会に職を得ようと、
インターネット上の都市に、なだれ込んでくる人たちが、
今後、ますます増えていくでしょう。

先進国では、もちろんですが
インドのように、単純作業が苦手で、大量均一生産に不向きな国では、
第2次産業をスキップして、
いきなり第3次産業の比率を増やしていく傾向さえ見られます。

このような状況を見ると

知識社会が,多くの人々を、十分に食べさせていけるのか,
知識社会では、少数のみが儲けて
その他大勢は、だんだん稼げなくなっていくのではないか
という危機感があるわけです。

なぜなら,従来の企業とは違って、
インターネット企業は、たくさんの人や金を必要としない
という問題に、多くの人々が気付き始めたからです。

◆じゃあ、知識社会では,どうやって飯を食っていけばいいのか。
どうしたら,新たな価値を、持続的に生み出していけるのでしょうか?

この答えのヒントは、
スティーブ・ジョブズの、次の言葉の中にあります。

我々はいつも,「テクノロジー」と「リベラルアーツ」の交差点に立とうとしてきた。

We’ve always tried to be at the intersection of technology and liberal arts.

ここで、問題になるのが
「リベラル・アーツ」という語義の解釈です。

「リベラル・アーツ」とは、
人文科学、自然科学、社会科学を包括する分野の学問を指すもので、
広い視野をもつための「一般教養」と訳されることが多いようですが

おそらくジョブズは、「リベラル・アーツ」という言葉を
「人間が文化的に生きるために、基礎となる学問」
という意味で使ったのではないかと、私は解釈しています。

ジョブスは、まさに、テクノロジーが生み出す力を使って
人間が持つ、無限の可能性を開花させようとしていたのだと思います。


ジョブズが、アップル社の製品をデザインする上で
最も信頼を寄せていたパートナーは
アップル社のインダストリアルデザイングループ担当上級副社長である
ジョナサン・アイブ だと言われています。

◆アイブは、デザインに対する「こだわり」を、次のような言葉で表現しています。

私たちが、何よりも大切にしているのは、
ユーザーとコンテンツのあいだに、余計なものが何もないと思えるまで
設計を徹底的に練り直すことだ

これって
さきほど挙げた、スティーブ・ジョブズの言葉と
ほとんど同じことを言っているのではないかと思うんです。

イノベーションのもととなる「テクノロジー」に軸足を置きながらも
それを、使う側である「人間」の方向から眺めて、無駄な部分を削り
洗練していこうとする努力が、私には感じられるのです。

全然、話は変わりますが、

あなたは
「カリフォルニア・ロール」
という食べ物を知っていますか。

生の魚介類を使わず、
海苔を酢飯の内側に巻き込んで裏巻きにするので
生魚介や海苔に馴染みのないアメリカ人にとっては抵抗が少なく、

カリフォルニア・ロールで、海苔と酢飯に慣れたあとで
徐々に、一般的な寿司へと入ってゆくアメリカ人が多いそうです。

日本の寿司が
米国だけでなく、全世界で歓迎される高級ブランド食品になれたのは
じつは、カリフォルニア・ロールのおかげなんですね。

要するに、
カリフォルニア・ロールという「イノベーション」がなければ
アメリカ人が、寿司と出会うことはなかったわけです。


こういう「イノベーション」は、おそらく
「テクノロジー」や「専門家」の領域に閉じこもっていたら、
絶対に起こせないと思うんです。

なぜなら、
寿司という料理、そのものよりも
アメリカ人に対する理解のほうが、重要だったりするわけですから。


◆そういえば、数年前に
眼鏡拭きが飛ぶように売れて、売り切れになる店舗が続出したことがありました。

何でそんなに売れているのか、原因を調べてみたら
若い女性が、メイク落としや洗顔に使っていたそうです。

眼鏡拭きの超極細繊維が、毛穴の汚れや古い角質を
キレイさっぱり洗い落とせることが、若い女性の間で評判となり、
密かなブームとなったらしいのです。

こういうブームを生み出すのも
超極細繊維を研究している人ではなくて、
メイク落としや洗顔をしている、当の女性たちなわけです。

ですから、たいていの場合、

イノベーションは
「テクノロジー」や「専門性」の内側ではなく、外側から眺めることで可能になる
と、私は考えています。


さきほどの話で
スティーブ・ジョブズが、最も信頼を寄せていたパートナとして
ジョナサン・アイブ を紹介しましたが

◆ジョナサン・アイブ に、多大な影響を与えたデザイナーがいるんですね。

それは,ディーター・ラムス という人です。

ディーター・ラムスは、ドイツの家電メーカーであるブラウン社に所属し、
500以上の革新的なプロダクツ・デザインを手がけたのですが
戦後のインダストリアル・デザインの方向性を決定づけたと言われるほどの巨匠であり、

ジョナサン・アイブのほかにも
ジャスパー・モリソン、セバスチャン・コンラン、深澤直人など
現代で活躍するプロダクツ・デザイナーたちが
「ラムスから影響を受けた」と公言しています。

正直言って、私は、デザインのことは、よくわかりませんし
よいデザインとは、どういうものなのか,
どういうデザインが悪くて、どうすればよくなるのか
そういう直感的なことを,言葉で表現するなんて,天才にしかできないと思うのですが

何とありがたいことに,デザインの天才であるラムスが
「良いデザインの10か条」なるものを
私のような素人にも、わかりやすいように平易な言葉で、解説してくれているんです。

ラムスが掲げた「良いデザインの10か条」とは

1 革新的であること
2 実用的であること
3 美的で感性的であること
4 製品の理解を助けること
5 謙虚であること
6 誠実であること
7 長持ちすること
8 細部にいたるまで一貫していること
9 環境に配慮していること
10 出来る限り抑えられたデザインであること

この10か条を読んで、
私なりに、気が付いたことがあります。

これらは、すべて
「専門性が陥りやすい罠」の真逆
を指している言葉なんですね。

「専門性」が行き過ぎると、次第に革新性を失い、
感性に訴えかけない、実用性に欠けた、表面的で、出しゃばりな、
環境にマッチしない、一過性の商品ばかりを生み出すようになり、

その結果として
顧客への謙虚さや、誠実さを失っていきます。

◆日本の家電メーカーが、軒並み,不振に陥り
ガラパゴス化と揶揄されたのは,まさにこういう状態でした。

商品を使う側である、人間への配慮を忘れて
ひたすら、テクノロジーを詰め込むことばかりに躍起になり
100ページ以上もあるマニュアルを読み込まなければ、使いこなせない
難解な商品ばかりを、生み出し続けるようになったのです。

ラムスは、こういう過ちに陥らないよう
人間が本質的に求めるものを
そのデザインを通じて
私たちに教えてくれていたのだと思います。

人間が本質的に求めるデザインとは、
決して難しいものではなく
むしろ、子供が手に取っても、喜ぶようなものだと。


そういう考え方は
アップル社の商品作りの思想にも
脈々と受け継がれているように感じます。

なぜなら、
スティーブ・ジョブズが、こんな言葉を残しているからです。

マニュアルは、小学校一年生にも読めるようにすべきだ。

◆商品の核となる「専門性」や「テクノロジー」を磨いていくのは、もちろん大事ですが、
むしろ、それ以上に、商品を使う側から「見込み客」を深く理解することのほうが大事なのです。

「見込み客」の目に、その商品がどう映るのか。
子供でも理解できるくらいまで、シンプルにすることで
多くの人々を熱狂させたり、世界を変えるような商品が生み出せる。

ハーバード・ビジネススクールの クレイトン・クリステンセン教授が、
「持続的イノベーション」と「破壊的イノベーション」という、2つのイノベーションを、定義しているのですが
同じイノベーションでも、目指す方向性がまったく異なるんですね。

「持続的イノベーション」というのは、
技術をさらに磨いて、アップグレードを重ねていくことで起こる技術革新のことであり

通常の企業活動は
既存の顧客に対して、さらに高付加価値のものを売ろうとして
このような技術革新の道を、辿ることが多いわけです。

そういえば、かつて日本の家電メーカーが
世界最小、最軽量だとか、画素数などを競い合っていた時代がありましたが
これこそ、まさに「持続的イノベーション」だったわけです。

しかし、技術的な飽和状態に陥り
どのメーカーの商品も横並びに、充分な機能が備わることで
顧客が求めている機能を上回るようになると

そんなに機能は必要ないから、少しでも安いほうがいいと
お客さんたちが考えるようになってきて、価格競争に巻き込まれていくわけです。

これが、「コモディティ化」と呼ばれる現象です。

「コモディティ化」を避けるには、クリステンセン教授が定義した、もう一つのイノベーション
すなわち、「破壊的イノベーション」の方向へ舵を切るべきなのですが

スティーブ・ジョブズが求めてきたイノベーションこそ
まさに、「破壊的イノベーション」のお手本だったような気がします。

◆彼は、コンピューターを、一部の専門家だけが使う道具にはしたくなかった。

どうしたら、子供やお年寄りなども含めた、幅広い層の人たちを
コンピューター技術が切り拓く未来へ、繋げることができるのか?

そこを徹底的に考えたのです。

通常なら出会うことのない、遠く離れた「見込み客」と「商品」を
どうしたら、引き合わせることができるのか。

私は、以前に書いた文章で
ジャパネットたかた の社長が
高齢者に向けて、ICレコーダーを大量に販売した話をしたことがあります。

おじいちゃん、おばあちゃんが、
お医者さんから診断結果を聞くときに、ICレコーダーを使えば
耳が遠くて聞こえなかったり、
お医者さんの言っている意味が、よくわからなかったとしても
録音したものを、あとで息子さんや娘さんに聞いてもらえばいい。

だから、この商品は便利なんだと売り込んで
今まで、遠く離れて、お互いにまったく無縁だった
高齢者という「見込み客」と、ICレコーダーという「商品」を
結びつけることに成功したのです。

◆じつは、任天堂の Wii や DS の知育・学習系のゲームソフトも
これと似たような発想から生まれた商品なんですね。

これらの商品が発売される前までは
韓国で「ネトゲ廃人」が社会問題化しているというニュースが報道されたり
ゲームが子供に与える悪影響が「ゲーム脳」という言葉などで知られるようになり
家庭用ゲーム機が、子供の親から、だんだん疎まれる存在になってたんですね。

そこで、任天堂が考えたのは
「親からも好まれるゲーム」
「親が子供に勧めたくなるゲーム」
を開発しようということになったわけです。

(じつは、スティーブ・ジョブズも、ピクサー社でアニメ映画をつくる際に、
似たようなコンセプトを出しています。)

室内でも手軽にスポーツを楽しむことで、健康を増進できたり
遊び感覚で、勉強を続けることができたり
だんだん、そういうゲームを志向するようになったんです。
このあと、任天堂の売り上げは、3倍になりました。

「イノベーション」という言葉が、初めて日本語に訳された時、
「技術革新」という言葉があてられましたが、これは明らかに誤訳で
この言葉の語源に、技術分野に限るような意味合いは、微塵も無いそうです。
本来の「イノベーション」とは、技術分野で起こるとは、限らないんですね。


◆この話の結論として、

「見込み客」と「商品」を、どう結びつけるかという観点から

我々はいつも「テクノロジー」と「リベラルアーツ」の交差点に立とうとしてきた。
We’ve always tried to be at the intersection of technology and liberal arts.

という、スティーブ・ジョブズの言葉の意味を、ぜひ見直してみていただきたいと思うのです。


【本日の音声ファイル】

◆コンテンツの価値を高める方法
http://context.motsu10kg.com/step9_simulacre.mp3


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