大好物のツムギアリハント!雨季手前のこの時期になると、コーヒー・マンゴー・アボカドそしてザボンなど、様々な熱帯果樹が新芽をだし始める。そしてその新芽を狙って、イモムシやアブラムシやカイガラムシ達がやって来るんだよ。すると次にやって来るのは様々な種類の蟻たちなんだ。
重要なのは、どの蟻が樹上の覇権を握ったかなの。樹上性の蟻には2タイプあって、他の虫と共生共栄するタイプか、他を完全捕食するタイプ。前者が覇権を得るとアブラムシやカイガラムシも増えて木が弱り、後者だと果樹にとっての害虫は駆逐される。その後者の代表がツムギアリだね。
だから農薬を使わず果樹を栽培している人にとって、ツムギアリはとても助かる存在である反面、ツムギアリは人間だってお構い無しに襲ってくる。極めて攻撃的な性格で、無毒だけど牙が鋭く顎の力が強い。噛まれるとミツバチに刺された位の痛み。危機を感じると樹上のコロニーから落下部隊が数十匹単位で、頭上に降ってくるんだ。
だから、こんなコーヒージャングルで仕事をする人にとって、ツムギアリが増え過ぎると痛くて仕事になら無い。だけど素敵な事もあって、それはこの蟻がとても美味しいって事。全ての過程で美味しい。特に卵と蛹は美味しいな。これは蟻も含むハチの仲間全般に言える事かもな。だからこの繁殖時期に、ツムギアリをコロニーごと収穫する。
今朝は彼らが動きの鈍いうちに、捕獲する事にした。髪や服に入られると嫌だから、要所を絞った服装で捕獲に臨んだのだけど、時が経つにつれ、結局どんどん隙間から侵入して来る。叩き落そうとしても、牙が皮膚に入ってるから頭だけ残る。でも、途中で気付いたんだよ。「奴らは服の生地を足場にして、俺に噛みついてるんじゃ?」って。
だからもう、ジャケットを脱いで素手でコロニーを引きちぎる事にしたんだ。すると、その考えは当たっていた。もちろん少し噛まれはするけど、汗で滑った皮膚だとすぐに彼らは滑り落ちる。そして服が無い分だけ勇気とスピードが増して、沢山捕まえられた。ドラゴン紫龍が言った通りだ。
今回の収穫は、合計100コロニーはあると思う。持ち帰る際に少し袋が破けてて、そこから逃げ出したアリ達が、バイクの後ろに座ってた少年を襲ってて、「痛ェよ兄ちゃん!痛ェ!」と言ってたが、彼は良く耐えたし、何とか無事に帰る事が出来た。そしてツムギアリが入った袋を、そのまま冷蔵庫に入れて仮死状態にして、明日調理する。
日が昇る前に、、、
なんかシュールなシルエットだな。
ひとつのコロニーには1000匹くらい住んでる。
セブンセンシズ後。
よし!こんなもんで良いだろう!
この後、後ろの少年はツムギアリに襲われる事に。少年よ小宇宙を感じた事はあるか?!