本日の読書感想文




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カラフル


森 絵都


あらすじ 


大きな罪を犯して死んだ主人公の魂が、輪廻のサイクルから外れ二度と生まれ変わることが出来なくなりそうになる。

そんな時に再挑戦のチャンスが抽選で当たった。

再挑戦とは、自殺を図って死んだ中学3年生の小林 真になり修行を積む事。

ガイド役の天使プラプラに助けられながら、小林 真が自殺する事になった問題や思春期ならではの思い込みなどを不器用ながらも解決していく。

そして、ついには自分の罪を思い出す。


​感想 


YouTubeでオススメしている人が何人かいたので、読んでみた。

表紙もかわいらしい黄色とやわらかい書体のタイトルで、文体もやわらかくコシがあって読みやすい。

主人公が多感な時期の受験を控えた中学3年生になって、周りを傷つけ傷つき、気付いたり理解したりしながら成長して行く過程が、少しだけ自分の中学3年生の時と思春期を思いだして懐かしくなった。(全然、本作とは全然違うケド)

作中、「たった一色だと思っていたものがよく見るとじつにいろんな色を秘めていた」とか淡藤色や煉瓦色、栗色とかタイトルがカラフルだけに、色の名前があちらこちらに出てくるのも楽しめた。

始めの方に出てきた大した役でなさそうな女の子が最後にキーマンになっていて、「そう来たか!」と言うどんでん返しで見事なラストを飾る楽しい作品であった。


こんな人におすすめ 


文体もやわらかく、読みやすいから中学生くらいからでも、かと言って軽くて薄い内容でもないから、そろそろ初老が見えてきたオッサン世代でも楽しめるのではないかと…。

しかし、援交だとか不倫だとかの内容も出てくるから少し中学生には早いかなとも思う。

大人になってしまった人には、すこし恥ずかしい様なすっぱい思春期を思い起こす事があるかもしれない。