僕です。

 毎年異常気象が加速しているのを実感しますね。さくらんぼ農家さんが苦境にいるのを偶然テレビで見かけました。

僕は学生の頃からずっと工学畑ですが、農業にも憧れがありますし、その難しさも見てきました。AI搭載機器で人間の手間を省く事に成功しつつありますが、これからの気象変化に立ち向かえる方法も早急課題なのでしょうね。かく言う僕もこの暑さで作業が停滞しがちになっております。

今はエアコンの効いた部屋でこの記事を書いていますが、金属の加工、溶接作業が行われる部屋は仕切られていて地獄ですゲロー もはやエアコンは人権のようなもの。 

 

 さて、お題に戻りますが表題通りAndrews社がミルウォーキーエイトモデル用の新しいカムシャフトを販売しておりました。(僕のチェックが遅かった)

 Andrewsはミッション、カムシャフトの製造メーカーで、その分野ではアメリカで最も歴史のある企業の一つです。ハーレー用で販売されているカムシャフトは各メーカー何だかんだありますが、大半はこの会社に委託されて設計、製造されています。

 Andrewsはどの車種に対しても独自のバリエーションを多数用意しており、例に漏れずM8モデルにもすでに7種類のラインナップがあるにも関わらず今更新しい物を出してくるということは何か意図があると思い、スペックを確認したところ…

 

 

 ヨシムラのカムでもステージ1か2、3まであるのは極まれですが、これだけあるともう普通の人では何を選んだら良いのかさっぱりではないでしょうか。日本のハーレー業界でプロショップとして活動している人でもちゃんと選べる人はそれほど多くない印象です。

 

 新しいカムと既存の低中速向けカムと比べるとリフト量を増やしつつ、バルブの開いているタイミングも長く取ってオーバーラップは中高速向けの様な数値ですが、カム山が頂点に達するタイミングはやや低中速向け。特に485カムはノーマルのバルブスプリングで対応できる限界を探って設定していると説明にもあります。これらの新しいカムはいわゆる低中速と中高速の間を狙ったような印象ですね。

 

 ただ、カム単体のスペックで考えても実際はそう上手くいきません。いつも言っているのですが、組み合わせる排気系のデザインで結果はガラリと変わってしまうのがバルブ開閉の奥が深いところです。これらの新しいカムでよくある独立パイプとV&H Hi Outputなんて組み合わせにすると、高回転域だけある程度伸びる残念な結果が待っているでしょう。ここは最新型のVVTが制御できるようになればかなり改善できる予定なんですが…

 

 で、そろそろ気づいてきた人も多いとは思いますが、カムとマフラーはセットで考える必要があり、よく理解していない人が一つのカムを盲信している状況がここ数年続いています。

 車の場合は多気筒で排気管長があり、マフラーの構造も似ている事からカムのスペック単体で考え易いのですが、バイクの特に2気筒までのエンジンは排気逆流が吸気に大きく影響するので同じ様には行きません。なのでこうやってカム単体でイメージ広告を打つのは本当にやめて欲しいんですよね… 

 ちなみに僕はM8モデルではS&Sとパインバレーさんのカムはまず使わないでしょう。 

 

 S&S、SE、TーMAN、Andrews, Wood, Feuling,パインバレーなど、今までそこそこの種類のカムを試しておおよの傾向と結果をあらかじめ予測できますが、新しいカムには注目しますし、良いモノは忖度無しで使う考えです。そんな中でも日本の大多数のハーレーオーナーさんが期待しているトルク特性と装着しているマフラーでは、今まで通りM462が続投されそうです… 現在カム交換の予約を頂いている車両にもM462を投入予定です。

 以前、インスタグラムへ投稿した試作マフラーはこの新しいカムを活かせそうなので試してみようかな

 

 ではまた