「この世はバランス現象で成り立っている。みんなそれに気づかねぇんだ…」

操体法の創始者である橋本敬三先生はこう話します。
よく、物事には二面性がある。ということを聞いたことがないでしょうか。

光と闇、幸福と不幸、哀しさと嬉しさ、男と女、天と地。

…だからなんなの？と言われればそれでお終いになってしまいますが、よくよく考えてみると全ての事柄が絶妙なバランスで保たれている事に気づきます。

例えば腰を痛めてしまった。と仮定します。実は、腰を痛めた原因は腰ではないのです。日々の生活習慣の積み重ねの中で、自分自身の身体が助け合い、"バランス"を保ちながら、結果として腰に痛みとして浮き上がってきているのです。

指先からイメージしてみましょう。

指を守る為に爪があり、指を動かす関節があり、手を動かす為に手首があり、腕を動かす為に肘があり、更には肩があり、首につながり胴体があり、身体全体があり。と。

相互にバランスを取り合いながら身体として成り立っているのです。

腰に痛みが発生するのも、外部からのストレスから無意識に身を守る為に脳が働き、感情が働き、自律神経が働き、ホルモンが働き、筋肉が働き、我慢という根性が働き。

それでも耐え切れなくなって腰に「痛み」が発生することも考えられます。

これはあくまで一例ですが、私たちの身体は常に支え合い、バランスを保ちながら今の状態を維持してくれています。

ここで最初に挙げた橋本敬三先生の言葉がスッと入ってきます。

「この世はバランス現象で成り立っている。みんなそれに気づかねぇんだ…」

見事なバランス現象です。これはとても凄いことなのです。

どこを取ってみても、孤立して存在しているものはありません。
常に支え合っています。

身体を例に話していきましたが、
もし今が辛い、苦しい。といった感情ですら、自分の身を守ってくれているんだ。
と考えてみると有り難く生かされているんだなぁ。と思えてきますよね。

あなたには、身近に感じる支えとなるものはありますか？

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