プラットフォームごとに最適化された物語を自動的に生成してくれるシステムの中で、個々人はまるで消費活動のようにして、創造性を快調に発揮できる。これを大塚サンらしい言い回しで説明すると「システムに創作させられていながら、しかしそれが少しも不快でない環境」であり、「企業によって管理されたポストモダン」の誕生、ということになる。

  斎藤環『おたく精神サナトリウム』