明治31年、自宅で仰向けで昼寝する無防備な漱石。前田潤『漱石のいない写真』。前田さんの本はこんな問いを投げかける。ひとが写真を撮られていると思って撮られるときと、撮られていないと思って撮られたときはいったい何が違うのか。その違いの歴史的瞬間が、この漱石のねむるからだから分岐していく