上野・東京都美術館のムンク展に行ってきた。「接吻」という抱擁している男女の絵がよかった。男と女は「叫び」の背後の溶ける色合いのように、抱き合いながら溶けていく。ふたりだけれどひとり、ひとつなのにふたつ。顔も口もない。でもぜんぶが、吸われ、お互いの中に入ってゆく。キスとは、なにか。