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塚本晋也『東京フィスト』。ドリルを女に突き刺す『鉄男』のように塚本映画の〈愛〉は自らの身体改変とともに筋肉の異常な戯れとして現れる。『シザーハンズ』の手がハサミだから抱けないにも似てるが、塚本映画では手がハサミだからむしろ君を抱くんだよ、になる。愛とは破壊・暴力であり肉体改造のこと
『東京フィスト』は三角関係と嫉妬の物語だが、愛の話なのに、ずっと、筋肉のことが考えられている。たとえば筋トレが筋組織を破壊しその回復によって更なる筋肉を得るものだとするなら、塚本晋也にとってその筋肉とは愛だ。愛を破壊し、愛の回復力によって、愛筋肉を増幅しようとする。