ドラクエ7をクリアして思ったのは、そう言えば昔のドラゴンクエストってひとが簡単に食われたり殺されたりしていたなあということだった。その意味で、7はさっきまで仲良くしていたひとが簡単に魔物に食べられたりしてとても暗い。でもその素直な残酷さが実はドラクエには昔からあったのかもしれない

ドラクエ7は人間たちの内面をこれでもかっていうくらいエグく描きしかもそれらに救済を与えずエグいまま次の話に進む短編集のような構成になっているので(不倫なんかもテーマとして出てくる)、ある意味、文学好きのひとにはやってもらいたいが、ただシステムがあまりに不親切で何度も床に手をついた

ただシステム不親切な7をやっていて思ったのは、実は現実世界のシステムというのは〈不親切〉なのであり、私たちは何度も同じ道を行き帰りし何度も同じ駅、学校、会社を徘徊し続けるということだった。その意味でドラクエ7は不親切なシステムを通して私たちの不親切な現実を考えるゲームになっている

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近代文学は不倫によって生まれたという研究があるが(漱石『こころ』や『ボヴァリー夫人』『アンナ・カレーニナ』)、ドラクエ7やFF4をクリアして思ったのはゲームも不倫や嫉妬、三角関係を人間関係の基調として描いているということだった。もしかすると基本的な関係は3から始まるのかもしれない