私はときどきむっくりスナフキンのことを思い出す。
「ソーセージマフィンたべすぎちゃった…」といって遠い眼をした彼のことを。
やろうと思えばかれはそのあつぼったいてのひらで風をつかむことだってできた。
わたしは、おどろいていう。「なんといったら、いいのか。
でも、なんだか、わかる。これはきっと、風だと」
同窓会でしばらくぶりに再会したような風だった。つまり、不可解な重みがあった。風というよりは、肉といいたいようなかんじの。
「風だって太ることがあるのさ」と、かれは、いった。名言では、なかった。