ときどき私たちは
集まって朗読しあう。
だから、ときどき、楽しい。
そういうふうなかたちで、
ときどき、親密になる。
とぎれとぎれに
あなたが本を読んでくれる。
わたしはうれしくなってしまって、
ときどきをわすれてしまい、
原始的なときどきのなかで
あなたに注意を傾ける。
そして、大きな歴史を超越したときどきのなかで、
あなたの声を知る。
ときどき、すきなふうなかんじだった、
と、わたしはいう。ときどきにおもいをこめて。
あとはどんなことばだってかまわない。
わたしはときどきということばひとつで
コミュニケーションをかわしてみたいとおもう。
けれども、ときどき、あなたはわらう。
そのときどきは、たったひとつのときどきだ。
だから、ときどきではない。
あなたが、ときどきをころがすようにして
わらうものだから、
それでときどき、わたしも、あなたは、うつくしく、なる。
ときどき、わたしはうそもつく。
それでもときどき、わたしはしあわせになる。
ときどきのほんとうとうそのなかで、しゃがみこみながら。

え?