先日、公園まで、歩いていった。
きっと走ってはいなかったとおもう。
公園につくとおじいさんたちが群がって将棋をしていた。
ひいふうみい…とわたしはおじいさんをはしから数えはじめたが明らかに三人以上いた。
「おじいさんは三人以上、いる……たしかなかたちで」
わたしは、いった。

おじいさんの背後にわたしはおもむろに近づいていった。
おじいさんのひとりがこっちを振り向いた。
いや、もうひとりのおじいさんもわたしをみた。
気づけば公園中のおじいさんがわたしをみていた。
公園の敷地をうめつくすおびただしいおじいさんがあちこちからわたしをじっとみつめていた。
ヒッチコックの『鳥』みたいだ、とわたしはおもった。