ゆうじんが間に合わないからと自転車をこぎまくっていたら、やはり自転車に乗った、ウィル・スミスをアバウトにしたような黒人が併走してきて、カワイイネ、ドコイクノ、と聞いてきたらしい。
ヤベー、と思ったゆうじんはそのまま自転車をやみくもにこぎつづけ、知らない町に出たらしい。
はじめてみる町のそのうえにひろがる青空が美しかったらしい。
「青空の意味をはじめて知ったような気がしました」、と言っていた。
そうして、知らない町の古本屋で、19世紀のイギリス小説を買って、目的の場所にいくのはその日はやめて、家に帰ったということであった。
その日、わたしは、寝込んでいた。
青空の意味は、まだ、しらない。