吉瀬美智子について、ときどき、かんがえている。
吉瀬美智子とは、なんなのか、と。
まえから、なんだか、異色というか、特色があった。
平成教育委員会をみていたときに、ひとりだけ、やけに解答者にあたえられる《給食》を熱心に食べているひとがいて、それが吉瀬美智子だった(実際、つっこまれてもいたが)。しかし、それはクールビューティーというウリに無意識にあらがおうとする彼女のひとつの特色であり、異色であったようにおもう。というよりも、素。
わたしが特に気になり始めたのが、「SUBARU : Dramatic cinema 人生を変えた1本の映画 」で、吉瀬美智子がナビゲーターをつとめはじめてからで、その番組では、タレントが自分の人生を変えた一本の映画について熱くとうとうと語るのだが、いつも最後に「とってもこころに残る映画だったんですね」とひとこと吉瀬美智子がさらっと他人事のようにいっておわる逆説的にこころにのこる映画紹介番組なのである。
しかもどのタレントがどんな映画をもって、どのように語っても、「とってもこころに残る映画だったんですね」しかいわないので、なんだかタレントが吉瀬美智子に道場破りをしかけて、返り討ちにあっているようにも、みえる。
吉瀬美智子は、《逆説》のひとではないか、とおもう。その意味で、とてもおもしろいひとだとおもう。たぶん、ひきだしを素であければあけていくほど、おもしろいひとだとおもう。