きのうの夜
わたしの寝室に
おしゃべりなろうそくが
ひとつあった

凄くつかれてはいたのだけれど
でもだれかが一緒にいてくれたらな
とおもって
わたしはろうそくをともした

そうして
そのぬくもりのある
ひかる声をききながら
わたしはきもちのよいねむりについた

      ブローティガン「おしゃべりな蝋燭」