【け】懸想するメガネ。
メガネの度はどんどん変わっていくのに、きもちはかわらず、おなじひとを想いつづけている。十年。
きょう、はじめて、朝、走ってみた。世界がすこしかわってみえた。きもちのかわらないじぶんもそれはそれでいいんじゃないかとうけいれられるようなきがする。そのために、メガネがわたしをせおって、どんどん、かわっていく。わたしにとってメガネをかけかえていくことは、いまのじぶんをずっとつづけていくことだ。きもちはかわらずに。でもちがったふうに。
おなじかたちで、ちがったふうに、あなたをすきつづけています。はしりながら、あおぞらを、すこし、おいこす。