わたしは
沈黙、をとても
おそれる人間だ。
ふだんの会話でもそうなのである。
少しでも

会話のエアポケットが
できただけで
そわそわしはじめる。

かなわない、という感じに、なる。

わたしは、なにかにおびえながらも、

メニューを手にする。

相手は、いったいどうしたの、という感じで

わたしを、みる。
わたしはとつぜん、

頼みたくもなかったものを
注文してしまう。空白の恐怖をまぎらわすように。
どうしてたのんだの!
と、わたしは、しかられる。

だが、わたしにも、わからない。

わたしは、あたまをかかえる。

そして、話すことはなにかないかな、という。

だが、相手はいう。

もう話すべきことなんてなにもない、と。
やがて、わたしのもとに、パフェが、やって、くる。

相手は、あきれ顔で、わたしを、みる。

わたしは、どうしていいか、わからない。

この場においては、パフェだけが、しあわせそうだ。
わたしは、こわがって、上だけ食べる。

そして、ちょっと相手を、みる。

あいては溜息をつく。

わたしは、もう、すこしだけ、たべる。

そして、あとは、残す。

残したので、パフェが、のこされる。