昔から、
モスバーガーで、
2番とか3番の番号渡されて
フィレオフィッシュができあがるのを
すわって待っているあいだに
即身仏になるのがゆめだった。
店員が嬉しそうに
できたてのフィレオフィッシュを
ほくほく顔で配膳してくると
俺はすでに成仏している。
盆の落ちる音。店員の悲鳴。
フィレオフィッシュあずかりの即身仏。
あと、もうすこしで、まにあうかもしれなかった。
フィッシュ食べちゃったら高カロリーだから
即身仏になるのは、まだとうぶんさきのことだったろう。
だが、紙一重のところで、
まにあわなかった。
でも、わたしは、それでいいとおもっている。
いや、そういう顔をして、わたしは
ほとけになっている。
もし即身仏になったわたしに
フキダシがついていたら、
きっと、こういってんじゃないかな。
『フィッシュ、だいじょうぶでした。』
そういう風に、わたしは、逝きたい。