いつだって最終回
あなたは忘れなさい。代わりにわたしが忘れないでいてあげるから
一体あなたは、
この二、三年、
何をしてゐたのだ。
生きてゐました。
それは、
わかつてゐる。
いいえ、
それだけで
精一ぱいだつたのです。
生活のことは、
少し覚えました。
太宰治「八十八夜」