小森陽一の


聴き手論には


やはり問題があります。


第一に、


多様な水準の聴き手を


同一視しているのではないかという点。

第二に、


受け手を聴き手にのみ


限定することによって、


音声のみを


特権化することになる。

これらは、第三に、


〈語り―聞く〉共同体の均質性を


前提としており、


異質な他者を


隠蔽してしまうことになります。





             西田谷洋