どんなイメージも

孤立したままでは

何の値打ちもなく、

ストーリーを解く

キー・ワードを明らかに

することもない、

個々のイメージは、

それに先行し

あるいは後続する

イメージによって

修正されうるのであり、

結局、

すべてのイメージは、

真理というものでは

むろんないとしても、

日常言語によって

伝達される諸々の

真実や虚偽の

物神的魔力を

浮かび上らせるために

必要となるのである。


   マルト・ロベール「抑圧された名前」