だいぶ前、ブロ友のお花見の呑み会の様子を短い動画で眺めていた。
桜が散る少し前だ。
だが、それは非常に怖かった。
どこかの大きな公園のまんなかに、数名で集まって楽しそうに飲んでいる。歌っている。
相当広い場のようで、距離があるのだがサクラの樹が彼らを囲むように並んでいる。
ひとは他には見えない。
いないようだ。
だが、あたしには、樹の前にひとりづつひとが立っているのが見えた。
1本にひとりずつ。
樹には魂が宿る。
だから、その樹で首を吊ったひとがいれば、その木を使って椅子や家具を造ればその悲しみも一緒にやってくる。
そのために不幸になるひともいる。
ま、そんな影響を受けないひとも多いのだろうが。
グーグルでこの辺かなと思い見てみると、公園内にもカメラは出入りしており、昼間で家族連れがにぎわっているのに異常に怖かった。
樹がにんげんを見ているのだ。
見下ろしているのだ。
昔、そこで空襲があり、逃げ遅れたひともいるだろう。
元々防空壕も多い場所だ。
でも、自ら死を選んだ霊が多いように思えた。
『桜の樹の下には屍体が埋まっている』、との小説を書いたのは梶井基次郎?
背筋がぞわぞわして見ていられなかった。
ただ、それらは悪さをする死霊たちではなく、羨ましそうに見ているだけだ。
毎日、散歩で通るひとや、遊びに来るひとを眺めているような感じ。
ただ、あたしは、あの場所にはなぜか行けないようだ。