オーストラリアでは秋になり気温がグッと下がってきました。

自分はこのくらいの気候が運動するのにいいし大好きです。

(先週の家の玄関からの虹)

 

日本の大学での授業をさせてもらい、オンラインだから寝ている学生が多いかもとドキドキしながら、いつも話しています。

 

自分が日本の学生の時は後ろで寝ていたことも多かったし仕方ないとは思っています。そして、学生としては面白くない話は集中できないのもわかるのでどうやってエンターテインしようかと日々考えていますが、、

 

最近の音楽わからないし、(ミスチルやエレカシが好き)

最近のドラマや俳優さん、女優さん同じに見えるし、、

(ロングバケーションのキムタクは誰も知らない)

 

学生さんとの交流があり色々質問してくれる熱心な学生も多くて嬉しい限り

 

その中の質問をシェアしたいと思います。

 

Q1. オーストラリアのクリニックではどのような人(人種)やどんな怪我、どこからいらっしゃる患者さんが多いのでしょうか?

 

ということである1ヶ月に当院に来てくれた患者さんの人種、診療部位、どこから来てくれているかを調べてみました。

 

A1. 人種

 

オーストラリア人:73%で1位

日本人:23%

その他のアジア人:4%

 

でした。

 

国籍を2つ持っている方もいたりするのが普通のオーストラリアなのでどこの国だからどうとかないのが良いです。

 

ブリスベンの人口(2023年) 247万人

 

日本人の人口が2023年のブリスベンで10640人

(ワーキングホリデイ等での短期滞在は入っていないのもう少し多いと思いますが)

 

日本人のブリスベンの人口比率が0.4%なので日本人で来ていただける方の比率もかなり高い方だと思います。

 

Q2. 対応する疾患はどのような部位が多いのでしょうか?

 

A2.

膝関節:26%

続いて

腰痛:22%

足首:11%

妊娠、首、肘:9%

と続きます。

 

自分はフィジオとして日本とオーストラリアで19年働かせてもらっていますが、論文を12本書かせてもらってきました。

(大学の先生等1年で10本以上かく優秀な方も多いので自分は恐れ多いですし、今振り返ると研究方法も課題の残るものばかりで偉そうには言えません)

 

内容は

足首が4本

膝関節が3本

肩関節1本

腰1本

歩行分析1本

ですので比較的論文を出している(自分の興味があって勉強している)分野の患者さんが多くきていただけているので毎日楽しく仕事をさせてもらっているのだと思います。

 

日本だと珍しいのが

妊娠期のフィジオ、呼吸器、めまい、顎関節だと思います。

 

妊娠期のWomens Healthの分野はオーストラアでは盛んで、

妊娠期の腰痛や尿もれ等のマネジメントはフィジオで行います。

 

自分はインターンの指導員がこの分野で有名だったのでたくさんの論文を読まされて(いや読ませていただいて、笑)、でも今となっては日本の産婦人科医の先生たちと仕事をさせてもらっているので今となっては有り難い。

 

呼吸器はBronchiectasis(気管支拡張症)等で痰が溜まって排出が難しくなり、呼吸困難になるような方の痰を出すのを補助するようなこともやります。

(聴診器は必需品)

これも大学院の授業やインターンでもやりますし、卒後教育でも講習に行ったりします。

 

めまいも卒後の教育で講習に行かせてもらってコースを出たので、フィジオ適応の目眩、特にBPPV(Benign paroxysmal positional vertigo)という良性発作性頭位めまい症はフィジオでの体位変換の治療で目眩の原因の耳の中の石を動かして治療するというようなこともあります。

色々な目眩の原因があるので対応できないものはドクターに返すのか等の判断もしながら行います。

 

またドクターからもこれだと思うからフィジオで治療して、もし変わらなければ違う原因だから次の検査をするからという形で紹介いただくことも多いです。

 

この辺はドクターの診断の手助けになるので

(信頼関係ができて近くのかかりつけ医の先生から紹介が多くなりありがたいです)、ダメだったらダメというようなことをReportに書いて返します。

 

顎関節も卒後のコースがありますが、近くの歯医者さんから紹介をいただくことも多くなってこれもありがたいです。

口の中に手を入れさせてもらっての顎関節の治療や鍼等も行いますし、歯医者さんとマウスピースなどの相談などもします。

 

それぞれのできること、できないことををしっかり理解して協力して治療をしていくシステムはとても良いと思って働かせてもらっています。

 

自分の大学院時代のボスには、

「できることを増やす(診断・治療技術の勉強)のはとても大切」

でも

「出来ないことを出来ないとしっかり伝えて専門分野に紹介することはもっと大切」

と教わったのが本当に今でも大事にしないとと思っております。

 

僕たちフィジオに

これをやったら良くなるというような

’マジックハンド?魔法?’

はありません。

少なくと自分にはそんな素晴らしい必殺技はありません。

(カメハメ波みたいな技あったら欲しい笑)

 

解剖学に基づいて、組織(靭帯、筋肉等)がどのくらい損傷している、

どこの関節が動かないから痛みが出ているというものを判断して、

エビデンス(論文)に基づいた診断、治療を行うことが一番だと思っております。

 

この関節は曲げていくとこう動き、この筋肉に負担がかかるから

この関節をこの方向に動かせば可動域が良くなるから、ここを動かしたりここにアプローチするというのは常に考えて行います。

 

しかし、これは葛山元基が発見してやっているのではなく、

たくさんの偉い先生方の研究、

 

キャダバーと言われるご遺体での実際の関節や人体の動きを論文に出してくれている長年の研究の成果で、より細かく診断ができるようになっているのです。

 

学生さんにこのような話をすると

面白そうって目を輝かされる生徒、

勉強しなきゃいけないのかと気難しい顔をされる生徒、

学校の授業と全然違うなっていう生徒、

つまらないから早く終わらないかなって眠そうな顔をしている生徒

 

様々ですが、

 

様々でいいと思います。

 

自分もどちらかというと昔は後者の方だったので笑

 

勉強が楽しいと思えてきたのは30過ぎてからなので、、

(30以降は勉強は最大の贅沢だと思うようになりました)

 

若いってだけで可能性はたくさんあるし失敗したってやり直しきくし、

失敗からの方が色々学べてきたので、

若い生徒さんたちがどこかで自分のやりたい分野が、

スイッチが入る時が来たら嬉しいと思いながら

 

自分も負けないように頑張ろうと思う今日この頃です。

 

また、話が長くなったので質問の続きは次回にします。

 

最後まで読んでいただきありがとうございました。