やっと夢から覚めたような感覚。

 その時にならないと沸き起こらない感情に出会った。

 僕は欠陥品だと思い込んだのは、中学3年生の卒業間際だ。

 これは覚えている。最初は戸惑いと不安だった。

 その後に、怒りと恨みが生まれた。

 どうして、自分がこんな目に遭わなければならないんだ。

 そんな気持ちは2年程続いた。

 高校生になる頃には、全てを自分のせいにした。

 自分が欠落してるから、受け入れてもらえなかったんだ。

 自分が自分のままだから、ダメなんだ。

 友達だった人からも、親からも、愛してもらえないんだ。

 そう考えて、常に愛される方法を探して生きてきた。

 今思えば、あの頃と何も変わってない。

 それどころか、行き過ぎた感情が、「愛されない、認められない自分」を現実に作り出していた。

 変わろうと努力する事は、悪いことではない。

 むしろ、いい事だ。しかし、僕は方向を間違えたんだ。

 あの時に自分のせいにした。終わった出来事に執着して、大切な事から目を背けた。

 受け入れてほしいから、がむしゃらになって仕事した。

 評価は貰えた。事実を見れば、でも、僕の目は事実ではなく、内側にある満足度に目がいっていた。

 変わったはずの現実を見ていなかった。

 だからずっと不幸だった。

 わかってしまえば、こんなに簡単な事だったのに、気付くことが出来なかった。

 手放してしまえば、こんなに楽なのに、執着してしまった。

 周りから認められて、チヤホヤされるレベルを求めてしまった。

 なんてことは無い、他人同士が仲良くしているのが、特別に幸せそうに見えたのだ。

 冷たく苦しい感情を持った僕からは、とてつもなく羨ましく、輝いて見えたのだ。

 きっと、同じようになれば、楽になれる。と勘違いをしたのだ。

 どんなに仲良くても、有名人でも、意志があり、苦労がある。

 生まれながらにそうだった訳では無い。

 やっと気付いた。

 9年程の長い夢は、本当にただの夢だったのだと気付いた。

 良かったと思う。色々やらかしたりもした。いい経験だ。

 これからやりたいことを探して、まともに生きていきたい。

 病気や事故で死なない限り、人生は嫌でも先があるのだから。