HUMAN LOST
そば焼酎のお湯割をたしなみながら。
そばの甘みが口の中に広がり、程よい高揚感。
適度な酒は人を能弁にさせる。
高2のときに読んだ太宰治の「人間失格」。
大学二年を終えた今、この作品を読み直す。
走れメロス、斜陽などといった名作を世に残した太宰。
「人間失格」を最終作品として玉川上水に身を投げこの世を去った。
恥の多い人生を送ってきました。
という印象的な冒頭文。
豊かで叡智にとんだ日本語と、東大仏文科出身を感じさせる西洋的な表現技法。
そして太宰のこころにあった人間への不信。
決してこの小説に共感はできないが、果たしてまったく他人事とは思えない。
読後は他の作品には無い特有の重厚なけだるさが残る。
美貌。道化。賢者ならではの苦悩。環境。悪友。そこからの堕落。女。酒。情死。モルヒネ。不幸。狂人と廃人。アントニムとシノニム。
