パーキングエリアで休憩しているうちに雨がぽつぽつ降りだしてきました。
太郎さんはびっくりしました。
「あ、雨だ」
加奈さんは平然として言いました。
「天気予報では雨にはならないと言っていたけど外れましたね」
「ご安心ください。この車は電動ルーフがありますので雨でも大丈夫です」。
「今、ルーフを付けますね」
そう言って槍手加奈さんはスイッチをいれました。
ウィーン、ウィーン
ところが、モーター音はするもののルーフは出てきません。
「あら、また故障したみたい」
「え、故障?」
「まあ、アルファベンベでは良くあることです。まだこんなの小さいトラブルですわ。
この前は走行中にエンジンが止まってしまいましたから」
「それじゃ怖くて乗れないですね」
「はい、だから父も最近乗らなくなりました」
太郎さんはびっくりしました。
「でも、このままじゃ濡れちゃいますね」
「そうですね、こうなったら覚悟を決めて走るしかないですね。大丈夫、私雨雲より早く走れますから。」
「僕、折り畳み傘持っています。これを差して走りましょう」。
「それは助かりますわ。太郎さんって用意がいいんですね。尊敬しちゃう」
そうして、雨が激しくならないうちにと再度走り出したのでした。
加奈さんは雨に追いつかれないように猛烈なスピードで走りました。
太郎さんの傘はあっという間におちょこになってしまい、役立たずになりました。
そして、いくら早く走っても雨雲にはかなわなかったと見えて、やがて雨足が強くなりました。
雨の降るなか、ルーフの壊れたオープンカーでの走行は地獄の苦しみでした。
太郎さんは壊れた傘を必死に握りしめ、180キロのスピードで走る車の中で必死に耐えるのでした。
それから恐らく10分くらい走ったのでしょう。太郎さんにとってはもっと長く感じられました。
結局、車は10キロ離れた次のICで降り、最寄りの駅まで行き、そこで降ろしてもらいました。そしてびしょびしょに濡れた服のまま電車に乗って、自宅まで戻ったのでした。電車の中の乗客はびっくりして見ていましたが、誰もハンカチを貸すとか手助けをせずに放置されました。
槍手加奈さんは太郎さんを降ろすとそのまま高速道路に戻りました。そのままずぶ濡れになりながら渋谷の自宅まで帰ったことでしょう。
こうやって楽しい?現地調査が終わりました。
びしょ濡れの姿で家に戻った太郎さんは。
つづく
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