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2時間後、無事食事会はお開きになりました。

 

社長はご機嫌です。

「おい、太郎君二次会だ!良い店を知っているんだ!」

「あ、加奈さんは帰っていいよ」

「そうですかそれでは失礼します」

加奈さんは帰ってしまいました。太郎さんの妄想は露と消えてしまったのです。

 

太郎さんも加奈さんと一緒に帰りたいところでしたがそうも行きません。

社長はタクシーを拾うと太郎さんを乗せてどこかへと走りました。

着いたところはある街の場末にあるクラブでした。

どうやら多貫社長の行きつけのお店の様です。

 

車を降りると、年季の入ったママが扉を開けてやってきました。

あーら社長さん、お久しぶりね

何言ってるなんだ、一昨日来たばかりじゃないか。

だって、毎日来ないと寂しいんだもん

でへへ

 

あれ、今日は若いお客さんが一緒なの。

あ、彼は同じトックリ出身でしかも同じ楽京大学を出ているんだ。

これはきっと神様が引き寄せてくれたんだと思う。

 

そう言ってお店の中に入りました。

 

中に入るとホステスがやってきて多貫社長の両脇に座りました。

 

 

太郎さんには年季の入ったおばさんが付きました。

本当はお客さんに若くきれいなホステスさんが付くものなのですが、どうやらこのお店は人材不足の様です。

 

間もなく、多貫社長のキープしていたボトルが出てきて再び乾杯。

太郎さんは十八番の替え歌を披露して皆から喜ばれ気分良く過ごしました。


 



帰り際、多貫社長は「太郎君、今日はとっても楽しかった。君の買った物件は絶対に儲けられるようにするから安心してくれたまえ」と言ってくれました。

 

折角、加奈さんとの二人きりの食事を楽しみたかった太郎さんでしたが、多貫社長と会えたことで楽しく過ごせてそれなりに良かったと感じていました。

 

 

そして翌週になって加奈さんから電話がありました。

 


「太郎様、先週の会食に来ていただきましてありがとうございました」

「加奈さん、こちらこそありがとうございました。おかげさまで多貫社長と楽しく過ごすことが出来ました」

「はい、社長があんなに喜ばれたのは珍しいです。本日、社長から太郎様はわが社の大事なお客様だから大切にするようにと言われました。今後、全力を挙げて協力させて頂きますので宜しくお願いします」

 

どうやら太郎さんは社長に気に入られた様です。

「あはは、僕は運がいいなあ。これで安心だ」

 

一方、電話を切った加奈さんはため息をついていました。




「困ったわ。社長からああ言われたけど、あの物件絶対に儲からないわ。元々
30年ローンでもキャッシュフローが出るかどうか微妙なのに22年返済じゃ厳しいわ。」

「あの時は売りたい一心でいろいろ良い事言ったけど果たして実際にそうなるかどうかわからないしねえ」

 

おやおや、やっぱり儲からない物件だったのですね。

果たして太郎さんはこの後どうなることでしょうか。

 

 

続く






     
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