発車寸前に電車に乗り込んだ鉄道さんは嬉しそうに解説を始めました。
「この電車は10年前までローカル線で活躍していいた300系で、今時珍しい板張りの床があるので人気があるんだ。今日はこの電車に乗れたので運が良いなあ」
確かにマニアにとっては垂涎の的かもしれませんが、普通の人間にとっては只のボロ電車にしか見えません。
そして10分後、南手取駅に到着しました。
この駅で降りた客は太郎さん3人だけでした。
「日曜日なのでニコポン光学の社員は利用したいんだろうね」
こちらの駅はローカル線の駅とは思えないほど立派でした。
将来の複線化も考慮してホームも二面あります。
エスカレーターもあります。(但し節電の為に使われていません)
「すごい!立派な駅だわ」
「ニコポン光学がこちらに出来たのでそれに備えて駅舎を建て替えたそうなんだ」
「これからチバラギ平成大学の新キャンパスもオープンするんだ」
太郎さんは得意げに話しました。
駅前に出ると大きなロータリーが目につきました。
でも、駅の周りにはお店が数軒あるだけ。それもコンビニ、学習塾、整骨院。単身者には住み辛い環境です。そして、その他は見渡す限り畑ばかりでした。
徒歩3分のニコポン光学の研究所はここからは見えません。
二人は建築現場まで歩きました。
駅から3分なのですぐ着きました。
畑ばかりの中には建築中のアパートが目立ちます。シマシマハウスばかりです。前回はまだ工事が進んでいませんでしたがどれもがもう建屋が完成し内装工事に入っています。そして皆規模が大きい物件ばかりです。
建築現場に着きました。未だ基礎工事段階なので養生中の基礎のコンクリートしかありません。日曜日なので工事はお休みで職人さんもいません。
太郎さんの建築予定地の隣に建築中のシマシマハウスのアパートがあるのに気が付きました。
以前来た時には更地でしたが、いつのまにか基礎が出来、周りをカバーで覆われていました。
どうやら太郎さんの建物より大きい様子です。
「あれれ、いつのまにか隣にアパートが建ってる」
「アニキのアパート、ずいぶん狭い土地だわね」
「いや、そんな事ないよ。隣が大きすぎるからだ」
「でも、お客さんを隣に取られそうだわ」
「そんなことないよ。僕の物件はスタジオ木恒のデザイナーズアパートだからシマシマハウスの安普請とは違うんだ」
いつのまにか加奈さんのセールストークの受け売りを始めていた太郎さんでした。
鉄道さんはびっくりした様子で「いやー、こんな田舎でも新築アパートが沢山建築中なんだね」と言いました。
太郎さんは鉄道さんに言いました。
「これはこのエリアが発展する証拠ですね」
「いやそうではないと思うよ」
鉄道さんから意外な答えが返ってきました。
それはなぜでしょうか?


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