隅田川河口近くで幾筋も流れが分かれた川の一つに赤錆びた鉄橋が架かっています。
対岸は数年前まで石川島播磨重工業の造船所(ドック)があり、自衛隊艦船が整備点検か、よく停泊していました。
あっという間の再開発。モダンなマンションが建ち並ぶ中、造船所に資材を運び込んでいた引き込み線の鉄橋だけが取り残されて、桜見物の遊覧船がその下をくぐりぬけて行きます。
が、今年はゆっくり桜を愛でる気持ちを持てなかったのです。
夕暮れ時、見納めのつもりで公園に行きました。
風に吹かれ、花びらをはらはら散らしていました。
公園の拡声器からは「家路」のメロディーが流れています。
ここ、隅田川の下流域は江戸川、中川らとともに多くの中州と埋立地が運河で細かく結び合っています。
運河があれば橋があります。その橋々、一つ一つがとても個性的で古くから(多くは戦前から)街に溶け込んでいます。
この豊海橋は大正十五年(1926)の竣工。今、周りは開発されたオフィス・ビルの群れ。そしてそこに暮らす人々は〝カナリスト〟(←運河人?)と呼ばれています。




