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■タイトル

狼たちの午後


■あらすじ

話が展開するにつれて、ソニーのおかれている環境や立場、犯人の動機はゲイである恋人の手術費用を得るためのものであったりということがわかってうだるような暑さが続くニューヨーク市ブルックリン区、小さな銀行に三人の小男が押し入った。その目的は金庫の金を強奪することにあったが、彼らはけっして冷徹な手練れとは言い難く、出だしからトラブルにも見舞われ、その杜撰な計画は早々に暗礁に乗り上げてしまう。まず仲間の一人が怖気づいて逃げ出し、残る二人でなんとか銀行の無血占拠には成功するものの、金庫を開くとあてにしていた大金は他に移された後で無く、しかも手間取っているうちに通報が行ったのか、あっという間に警官隊に現場を取り囲まれてしまった。そしてソニーとサルの2人は、人質を取って銀行に籠城するという最悪の選択肢を選ばざるを得なくなった。ソニーは元銀行員で従業員の事情にも通じ、銃を手にしつつも手荒な手段を取ることを選ばない。もはや果たすべき目的も叶わず、唯一の望みは安全に脱出することしかない。しかし彼らは大量の警官隊に追い詰められ、集まったマスコミに問い詰められ、そして観客たちには何故かヒーローのように祭り上げられていく。真夏の猛暑の中、いつ終わるともない膠着状態のまま緊迫の時間は過ぎていく。はたして望まぬまま時の人となった二人の行く末は。そして事件はいかなる終息をみるのか・・・。


■感想

実際にあった事件を映画化。アル・パチーノの演技が最も評価されていると言っても過言ではない作品です。アル・パチーノの演技がかなり冴え渡っていて完全なる独壇場でした。ジョン・カザールの演技も素晴らしくほとんどのシーンが役者達のアドリブ、さらに設定は真夏なので役者たちは吐く息が白くならないように、口中に氷を含んで演技をしたそうです。銀行強盗をして警察に包囲、逃亡する為のやり取りと言う流れがストーリーなのですが、そのやり取りにグイグイと引き込まれます。犯人は真剣なんだけど計画性が薄くどこかしらマヌケで人間味があり最初はコメディなのかなと感じましたが、見終わった後は全然違いました。予想外の展開に金を奪うことから安全に逃げ出すことに変わり、低俗イデオロギー全開でヒーローに祭り上げられたり、愛人がゲイだったり、話が進むにつれて犯人の人物象も見えてくるわけですが、そんなドタバタな展開に社会的な皮肉も強く込めてらています。名言となった「アッティカ!アッティカ!」等、当時の社会的背景がわかるともっとリアルに楽しめると思いました。アルパチーノ演じるソニーは凶悪犯とはとてもじゃないけど呼べそうにない性格。律儀に遺言まで作成し財産も全て分配すると言う人の為に物事を考える人間。そして人質との間にも連帯感が生まれたり心理的描写もよく表現されています。見てるこちら側もストックホルム症候群になってしまうくらいでした。しかしエンディングのソニーと人質達の様子…最後のソニーの哀愁感は何とも言えない気持ちになります。どんな理由があろうとも犯罪は悪。同情なんてされません。残ったものは孤独と後悔。アンチヒーローに仕立てられてしまった凡人の行く末。


■評価

★★★★☆


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