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■タイトル

フライト


■あらすじ
フロリダ州オークランド発アトランタ行きの旅客機に乗り込んだウィップ・ウィトカー機長(デンゼル・ワシントン)。一流の操縦テクニックを誇る彼は、この日も激しい乱気流を鮮やかに切り抜け、機体が安定すると副操縦士に任せて眠ってしまう。だが突然の急降下が、ウィトカーの眠りを破る。機体は制御不能、車輪を出し、燃料を捨て、あらゆる手段で速度を落とそうとするが、降下は止まらない。緊迫するコックピットでウィトカーは、機体を逆さまにする背面飛行を決行。高度は水平に保たれ、前方に草原が現れた。ウィトカーは機体を元に戻し、決死の不時着陸に挑む……。アトランタの病院で目覚めたウィトカーは、パイロット組合幹事のチャーリー(ブルース・グリーンウッド)から、102人中生存者は96人だと告げられる。高度3万フィートからのそれはまさに奇跡の着陸だった。しかし密かに付き合っていた客室乗務員のトリ―ナ(ナディーン・ヴェラスケス)が亡くなったと聞き、ウィトカーはショックを受ける。見舞いに来た友人のハーリン(ジョン・グッドマン)が、興奮して世の中の騒ぎをまくし立てる。マスコミがウィトカーの偉業を称え、彼は一夜にしてヒーローとなったのだ。翌朝、チャーリーに呼び出されたウィトカーは、弁護士のラング(ドン・チードル)を紹介される。フライト・レコーダーから、事故の真相は機体の故障だと解明されるはずなのに、なぜ弁護士が必要なのかと声を荒げるウィトカー。実は調査委員会で、ある重大な疑惑が浮上していた。事故後、乗務員全員に行われた検査の結果、ウィトカーの血液中からアルコールが検出されたのだ。それが事故の原因と特定されれば、ウィトカーは過失致死で終身刑となる。一方、10人のパイロットに挑戦させた事故のシミュレーションでは、全員が地面に激突、全乗客が死亡、ウィトカーの神の腕が証明される。だがマスコミが疑惑を嗅ぎつけ始める中、ある客室乗務員はウィトカーを命の恩人だと感謝しながらも、彼に有利な証言を断り、副操縦士はTVのインタビューで思わせぶりな発言をするのだった。心の拠り所だった一人息子にも罵られ、次第に追いつめられていくウィトカー。そして全てが白日の下にさらされる公聴会の日がやって来た……。


■感想

全体的に宗教的な部分が盛りだくさんな映画ですが、様々な心理描写を描いた作品。デンゼル・ワシントンの演技の良さがそれを引き立たせていました。前半の飛行機不時着までの間は緊迫感があり、手に汗握る展開。不時着成功によりパイロットとして英雄扱いされますが、その裏ではアルコール依存症のダメ男。実際に墜落当日も機内でも飲酒していたせいで刑務所に送られるかもしれない状況となります。完全なるアルコール依存症で自分自身の問題に向き合うことができず、バツが悪くなるとはぐらかして逃げてばかり。それにようやく反省し禁酒を続けたが、最後の最後、大事な聴聞会の前夜にやらかしました。飲みかけようとした酒を我慢し冷蔵庫の上に置き部屋に戻る…、酒瓶だけを移したまま画面固定で沈黙の時間。パッ!と手だけが酒をかっさらった演出が鳥肌モノでした。若干の中だるみを感じてましたが、この最低っぷりが後半を演出することになります。嘘をつくのは得意だと自信満々で聴聞会に参加。淡々と自分を守る為の嘘を重ねていたのですが、乗務員のトリーナに罪を擦り付けることができず自分が飲酒をしたことを苦悩の末に打ち明ける。子供を最後までかばって亡くなったトリーナを冒涜する行為、その罪悪感や今までの嘘で固められた人生で失ったモノの大切さを感じ自分自身に嫌気がさしたのだと思います。嘘による罪の意識、様々な葛藤から解放された瞬間。このシーンにはグッときました。それからは360度変わったウィトカー。以前の窮屈そうな様子は一切無く刑務所暮らしでも清々しく自由に満ち溢れていました。依存症は自分自身に正直に向き合えるかどうかが大切な事なんだなと感じた映画です。


■評価

★★★★☆


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