■タイトル
ブラックスワン
■あらすじ
ニューヨーク・シティ・バレエ団のバレニーナ・ニナは、純真で繊細な“白鳥”と、妖艶に王子を誘惑する“黒鳥”の二役を踊る「白鳥の湖」のプリマドンナに大抜擢される。しかし優等生タイプのニナにとって“白鳥”はともかく、悪の分身である“黒鳥”に変身することは大きな課題だ。初めての大役を担う重圧、なかなか黒鳥役をつかめない焦燥感から、精神的に追い詰められていくニナ。さらにニナとは正反対で、“黒鳥”役にぴったりの官能的なバレリーナ・リリーが代役に立ったことで、役を奪われる恐怖にも襲われる。ニナの精神バランスがますます崩壊する中、初日は刻々と近づいてくる…。
■感想
「π」「レクイエムフォードリーム」と精神崩壊系を撮らせたらピカイチのダーレン・アロノフスキーの作品。潔白なホワイト・スワンと官能的なブラック・スワンの二つを演じることとなったバレリーナが、プレッシャーなどにより徐々に精神を壊してゆくサイコスリラーです。迫真の演技、痛覚を刺激する映像、ブラックスワンに変貌するCGは圧巻でした。望んでいたはずの大役、何度練習しても監督から厳しく指導される、自分の果せなかった夢を押し付ける母親の過剰な束縛・期待・愛情、全てがプレッシャーに感じ追い込まれて精神のバランスが崩れていく。妄想と現実がわからなくなりぶっ壊れていくニナを演じたナタリー・ポートマンは素晴らしい演技でした。全ては自分との戦い、己の弱い部分に打ち勝つ事が大切、作品の中ではやたらと鏡が出てきますが、それは暗に「もう一人の違う自分に苦しめられている事、全ては己との戦い」を表現しているのかなと感じました。その二面性の姿をバレエ(白鳥、黒鳥)で作り上げた監督は素晴らしい。今まで過剰な愛情で自分を曝け出して過ごせなかったニナが、殻に閉じこもっていた自分を初めて打ち破り行動することで「パーフェクト」と自分の演技を満足感を得られたことはラストシーンでのニナの表情が物語っています。となればハッピーエンドなのか…暗くどんよりしている部分もありオススメはでませんが、ストーリー、演技、演出、最初から最後まで芸術性が高い傑作です。
■評価
★★★★★
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