■タイトル
フェアゲーム
■あらすじ
2001年9月11日の同時多発テロ以降、アメリカのブッシュ政権はイラク政府が大量破壊兵器を密かに保有し、世界にテロを“輸出”する「悪の枢軸」のひとつだとして、世論を動かしながら攻撃準備を進めていた。極秘にこの疑惑を調査していたCIAの秘密諜報員ヴァレリー・プレイム(ナオミ・ワッツ)は、潜入捜査の末、イラクに核兵器開発計画がないことを突き止める。一方、ヴァレリーの夫で、元ニジェール大使のジョー・ウィルソン(ショーン・ペン)も、国務省の依頼でアフリカ・ニジェールへ赴く。イラク政府が核兵器開発に必要な濃縮ウランを密かに買い付けているとの情報の真偽を確認するためだ。そして彼もまた、イラク政府によるウラン購入の事実はないとの結論に達する。だがブッシュ政権はヴァレリー夫妻の報告を無視、2003年3月20日、イラクへ宣戦布告する。4ヶ月後、ジョーは自身の調査報告を元にイラク戦争の真実をニューヨーク・タイムズ紙に寄稿、ブッシュ政権を揺るがす大論争を巻き起こす。核兵器開発計画が最初から存在しないならば、イラク戦争を始めたブッシュ政権の正当性が疑われかねない。ところがその直後、ワシントンの有力ジャーナリストたちに、ヴァレリーがCIAの秘密諜報員だという情報がリークされる。情報漏えいを指示したのは、チェイニー副大統領主席補佐官のルイス・“スクーター”・リビー(デヴィッド・アンドリュース)だった。身分を暴露され、たちまち世間の好奇の目に晒されるヴァレリー。家族や各国に散らばる協力者にも危険が迫り、彼女のキャリアと私生活は崩壊し始める。匿名で送られてくる脅迫状や無言電話、容赦ない世間の中傷……今まで証券会社勤務だと偽っていた彼女から友人も離れていった。ジョーは、メディアに自身の正義を論じるが、ヴァレリーは沈黙を貫く。公の場で事実を明かすべきだと言い募るジョーと対立し、唯一の安らぎの場所だった家庭さえもが崩れ落ちそうになったとき、彼女はいつも温かく見守ってくれた両親のもとへ向かう。家族との穏やかな時間を過ごす中、大切なものとは何か気付いたヴァレリーは、自らの名誉と家族を守るため、強大な国家に戦いを挑むのだった……。
■感想
CIA工作員身元漏洩事件(ヴァレリー・プレイム事件)の映画。ブッシュ大統領が隠ぺい工作に直接関与したと言われている衝撃の実話です。シリアスで政治的な内容を含むのでかなり難しく集中して観なければ置いていかれてしまうでしょう。本物の映像を織り交ぜた展開で話が進みます。マスコミの情報をそのまま受け売りする民衆、本当に真実なのかも確かめもせずにイラクを批判する。政府が誤って起こした戦争。歪んだ正義、間違いを誤魔化す為に嘘の情報操作で責任を擦り付ける政府。素性を暴露された元CIA諜報員、その影響で執拗に嫌がらせを受けて苦しんだり夫である元外交官との家庭崩壊の危機も迫る。大きな圧力に立ち向かう二人のドラマを描いています。これが実話だと言うのだから恐ろしい。必死に国の為に尽くし続けたのに政府の都合で裏切られた人間は少なくないでしょう。この事件も氷山の一角に過ぎないと思います。個人 VS ホワイトハウス。巨大な陰謀と戦うことの大変さ、権力を敵に回した時の底知れない恐ろしさ。誰もが関わるべきではないと助言するシーンは権力への恐怖を物語っています。絶対に勝つことの出来ない戦い。テロももちろん悪いことですが、自分達の威厳を守る為に隠蔽し情報操作する政府も正義とは言えません。権力、圧力に対しての怒りがこみ上げてくる社会派映画、その中で堅い絆で守られる夫婦愛が心に響きました。エンドクレジットでは本人の会見映像が流れ、実話である事をさらに強く印象付けてくれます。
■評価
★★★★☆
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