今朝、まだ早い時間旦那の携帯が鳴った。
旦那のお父さんが心筋梗塞で倒れたという。
日頃彼は父親を毛嫌いしている。口を開くと悪口ばかり、それはどこか淋しげにも聞こえる。
そんな彼も、晩酌中は幼い頃や学生時代の父親との思い出や自慢話を沢山する。
私はそんな矛盾だらけの彼の複雑な思いを口出しせずに聞いている。
今朝、彼は迷いながらも会いに行く事を決めた。
私たち家族は全員で彼のお父さんの病院へと向かった。
まだ安心はできないものの、回復へ向けての手術が決まり、私たちは帰路へついた。
彼の複雑な思い。帰り道彼は言った。彼のお父さんの父親である今は亡きおじいちゃんの仏壇に手を合わせた時、おやじ頼むよと祈ってきたと。
私は、色んな想いを抱えながらも素直に父親への愛情を言葉にした彼を見て安心した。
父親との関係が、うまくいかずに歯痒い中どこか諦めにも似たつっけんどんな言葉しか普段は言わない彼。それでもやっぱり残っている父親への思いや家族に対する愛情を、隠さず話してくれた心根の優しい彼を私はまた一段と好きになった。
私も祈る。どうか回復してくださいと。
心の中にあるしがらみを越えて彼が祈った思いに私は精一杯寄り添いたい。