『砕け散るところを見せてあげる』
著竹宮ゆゆこ
「こんな本が書けたのか」
これが本作品を読み終えたときの最初の感想だった。勿論良い意味で、だ。
『とらドラ!』から好きになり、『ゴールデンタイム』『知らない映画のサントラを聴く』と本著者の作品を購読してきたが、恋愛を軸に書いてきた過去作品と異なり、今回の作品は人間にある感情を書いたものであったように思えた。
過去作品を読んだ方は分かると思うが、一筋縄ではいかない物語が竹宮氏の特徴である。それが今回は恋愛ではなく人間にスポットライトが当てられていた。甘酸っぱい青春のストーリーとはかけ離れた、奇妙で苦い2人の人生の物語。しかし、その中にも友情や恋愛といった普通の高校生の一面も描かれており、非常に起伏に富んだ物語となっている。
また、大半の人は一度読んだだけでは内容を理解できないだろう。私もその一人だった。読み終えてもスッキリしない、結局どうなったのかハッキリしなかったが、二周目を読み終えた時に初めてストーリーが理解できるような作品となっている。さほど数を読んでいない私ではあるが、このように二周目を読みたくなる本は、七月隆文作『僕は明日、昨日の君とデートする』以来であった。両者とも改めて読み見返すと登場人物の不思議な行動に納得ができ、真の面白さに気付ける作品となっている。推理小説とは違うが、謎が紐解けた時の面白さには似たようなものがあるだろう。
小説だからこそ出せる面白さがあり、"記念碑的傑作"と評するに値する本だったと私は思う。
以上、ネタバレを避けつつこの本の面白さについて語ったが、何しろ本の感想を書くのは中学3年生の夏休みの宿題で出された読書感想文以来だったので、非常に拙い文章であったと思う。それでもここまで読んでくれた方がいたら本当に嬉しい限りである。以降読んだ作品はこういった形で残していこうと考えているので、今後も読んでもらえると幸いである。
では今回はこのへんで。