唇が、少し紫色になっていたおじいちゃん。

久しぶりに会ったら、少し苦しそうで、でも眠っているような顔をして箱の中に入ってた。


私は、火葬の日に初めて会った。

あの時お母さんは
「少し色変わっちゃったけど、本当に綺麗だったんだよ。本当眠ってるみたいだったの。」
って言ってくれた。

ひいおばあちゃんが火葬の時は、骨は本当に細くて持ち上げたら砕けちゃうくらい。

でもおじいちゃんの骨は本当にしっかりしてて、箱に入りきらなかったりして、「最後まで世話の焼けるじいさんだ。」っておばあちゃんが言ったくらいにして。

頭にぽっかり穴が空いてて、血が少し付いてた。
だから、きっと頭ぶつけて意識失ったんだねってお母さんは言った。
苦しまなくて済んだだけ良かったねって言った。


私にはすごく甘かったおじいちゃん。

全然遠くないピアノ教室に送り迎えしてくれたり、
雨の日髪の毛濡れたくないからって中学校まで送ってもらった。

廊下あるく時は、おじいちゃんのリズムがあって「ほっほっほー」とか言いながら歩くから、すぐおじいちゃんってわかった。

くしゃみは独特で、ひゃっふー(笑)とか言ってさ

おばあちゃんには文句言って、結果お父さんに怒られてさ。
うるせーって(笑)


でも、もういないんだよなって
思ったらまだ受け入れられない。


みんな助かってると思ったから、
行方不明のお父さんはもちろん、帰ってくると思ってた。


4月に入って、地元から大学のある釧路に戻ろうとした時にお父さんが見つかったの。

その日は、お兄ちゃんを水沢に送っていった日だった。



お姉ちゃんの付き添いで、遺体安置所には入った事があった。

そこは、全員が箱の中に入っててたからあまり怖くなかった。

でも、お姉ちゃんの大好きな先輩が目をつぶって箱に入ってて
近くでは見れなかったけど、すごく苦しそうだった。
手を合わせて、「ゆっくり寝て下さい」って願った。


2回目の遺体安置所は、
そのままの姿で置かれている人がいた。

怖かった。
入口すぐに頭から血が出ている人が3体。

そしたらお母さんとおばあちゃんが叫んだ、

「お父さん」って。


信じたくなくて、見たくなくて、久しぶりに会えるのに、足が進まなくて、

おばあちゃんに連れられて見たお父さんは、痩せてて、口の中に泥が少し入ってて、黒かった。

でも、すぐお父さんってわかった。

続く