「3月のライオン」という作品をご存知だろうか。
一人の少年が将棋のプロ棋士となり、
新しい場所や、新しい人間関係の中でどのように
人生の決断をしていくのかを生々しく書かれている。
単に娯楽としてもとても面白い作品なのだが、
最近では自分をその主人公と比較して、卑下してしまう
気がしている。
作品の中では、主人公のレイ君(中学生)が、
朝から晩まで、将棋に打ち込んでいる姿が、
何度も描かれている。
幼少期に両親を失い、引取先の家族にも除け者にされ、
跡形もなく自己肯定感を残されたのに、
なぜ立ち上がれるのか。
なぜ前に進もうとできるのか。
それに対して、普通の家族の元に生まれてきて、
愛情をたくさん注いでもらったはずなのに、
自分は好きでやっているはずの読書ですら、
なぜ15分も集中がもたないのか。
そんなことばかり考えてしまう。
だが、日中は日中で、特に何か考えたり、
行動に移したりしているかといえばそうでないので、
こっちの方が健康的といえるかもしれない。
ちなみに、多色の森博嗣さんは、自分の本の中で、
あまり一つのことに長時間集中することができないと
言っていたので、それが今の僕の支えになっている。
やはり、自分も友人や、身の回りの人くらいなら、
彼らを肯定してあげられる存在になりたい。