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諸々モロッコ

2013年7月からアフリカ大陸のモロッコで小学校教諭として働く
青年海外協力隊員のブログです。
モロッコの酸いも甘いも、
自分の強さも弱さも諸だしにしちゃいます。

秋めいてきたモロッコ。


オリーブが実ってきました。


この学校も広場にオリーブの木があって、すでにたくさんの実が落ちてます。



そんなオリーブの実まるけの運動場で、この日はおにごっこを教えました。


やっぱりおにごっこは、全世界共通で子どもに大人気。


おにって分かるように、鬼の子にはタスキ(布のきれっぱしで作った)を渡してます。


で、3年生児童20人と体育やってたら6年生の男の子3人がひょこっと現れた。


上の写真のサンダルのやつらです。


何してんの?って聞いたら、


「掃除」って答えました。


毎週この3人が校庭の掃除をしているそうな。


なぜしているのか聞いたけどいまいち分からなかった。


でも別に嫌そうにはやってなかったから、罰とかではないみたい。


体育に興味津々で近寄ってきたので、まぁさせたいようにさせてたら、3年生を仕切りだした。


私が言うことを分かりやすく説明しようとしてくれたり。


けど私の話にかぶせて話してくるから、わけがわかんなくなる。笑


でもまぁ手伝いたくてやってる感じがしたから、ありがとって伝えた。


にこっとして「次はいつ来るの?」ってたずねられた。


かわいい小坊主3人組だった。





体育の流れは、


出欠確認

整列

3周ランニング

体操

準備運動

メインの運動


って感じです。


準備運動には、手押し車とかやってみたり。



これだけなんだけど、子どもはキャーキャー言って喜んでる。


でもこれ、去年やらせたときに怪我をさせてしまったことがあった。


特にモロッコは運動場がコンクリートだから転ぶとすりむいて痛い。


手押し車をすごいスピードでやっちゃった子がいて、転んで顔をすりむいてしまった。


ごめん・・・


やっぱり体育では安全管理が大事。


そして安全を意識するようになってほしいってすごく思う。


モロッコの人って危機管理意識がうすい人が多い。


大人と野球してても、人がすぐ近くにいるとこでバッティング練習始めたりする。


ぞっとする。


で、今回はしっかりと説明した。これはゆっくりやんないと危ないんだって。


そしたら子どもはちゃんと理解してすごく気を付けてやっている。


教えればちゃんと理解できるんだなー。






さてさて、自分の活動について。



無事に私の活動も2年目となり、残り約半年。



ここに来てようやく自分のやりたいこと、自分のスタイルが見えてきました。



ここまで来るのに1年かかったなー



っていうのも、9月中旬になってようやくこっちの新学期が始まってあいさつして周ってすごく感じたんだけど、



モロッコ人も私に慣れてくれたってことが大きい。



一年前は「なんだお前」って顔で見られて、何しに来たの?何ができるの?って言われて、


説明するんだけどなかなか伝わらなかった。



1年通して学校に通い続けて自分の存在を認めてもらって、そしたらあたしが学校にいるってことが普通になってくれた。


先生も子どもも。



それってすごく大きい。



私がここに慣れるのも大変だったけど、同じようにモロッコの人たちもあたしに慣れるのが大変だったんだなと理解しました。



それと2年目になってうまくいってる理由がもう一つあって、それは1年前の私の『気負い』。



何かをしなくちゃ、何かを変えなくちゃ、何かを残さなくちゃ。



そういう思いで焦ってたのが一年前でした。



過度な期待はしない。笑


自分ができることを丁寧にやる。それは目の前の子どものため。


っていうシンプルなことがようやく腑に落ちた感じがする。



一緒になって何かやるってことの価値が今はよく分かるのです。




ってことで今年の活動では、前年度に引き続き2校での体育の実施と、1校での図工の実施を柱にしました。



そのうち1校はまだ時間割決まってなくて体育できてません。


でも焦ることはない。ふっふっふ、ゆとりがあるな、私。 笑



そしてどの授業も簡単な指導案を作り、担任の先生に見せています。


「私は一緒にできないのよ」って言われた先生にも必ず見せる。



で、今日は担任の先生が休みだったけど、子どもは半数くらい体育のために学校に来てくれていました。


そして今日からそのクラスの子たちとともに特別支援学級の子どもも一緒に体育始めました。


私の活動を知っていた特支の先生が「このクラスの子たちにも体育を経験させてあげたい」と相談されたので、是非一緒にやりましょうってなったのです。



こうして声をかけてくれるなんて初めてだったのでめちゃ嬉しかった。



特支の児童と通常学級の児童が一緒に活動するのは初めてだってことだったので


どうなるかいなーと思い見ていたら、


子どもは上手に支援してる。


支援の仕方も分かってる。



いろんな人がいて一緒に生活してるってことが、モロッコの子には結構当たり前なんだなー



モロッコの子ども達のすごいとこです。



あと半年、できるだけ多くの時間を共有したいです。


誰でも心が風邪をひくことがあると思います。


何か悲しいことがあってとか。


なんとなく自分の存在価値とか考え続けちゃってなんか落ち込んだりとか。


なんとなく孤独感感じちゃってさみしくなったりとか。




私もたまにはそうなんだけど、でも私の場合風邪をひくってほどでもなくて、心に霜がつくみたいな感じ。


しばらくほっておいた冷凍庫みたいな。


そういうときって自分のことにどんどんフォーカスしちゃって、もっと人に優しくありたいのにって思って、


でもそうできなくてますます自己嫌悪になったりして悪循環。


何が原因なのか自分でもわかんないことがある。



そういうとき、その霜をとってくれるのは周りの人間の優しさとか、大好きな人達の何気ない一言とかだったりする。



心が軽くなって、何でも受け入れられるような気がする。


実際ちょっと前はイラッとしてた事も、なんでこんなことに腹立ててたんだろって思ったりする。



今、私の心には霜がついてません。


でも今回は悲しい理由で霜がとれました。



南アフリカっていう国で、協力隊の同期が亡くなりました。


モロッコに来る前の派遣前訓練で、同じように研修を受け、同じ場所で同じ時を過ごした仲間でした。


23歳という若さの彼は、とても気が利いて人懐っこい人でした。


元気で、将来のこととか考えてました。



突然の不慮の事故。


ネットのニュースで彼の名前を見て、ものすごく違和感を感じました。


あんなに元気だったのに? まだ若いのに? にこにこ笑ってたのに・・・




そして突然そんなふうに仲間がいなくなってすごくショックだったけど、感じたことがありました。



「生きてるだけでいい」



どんなにへましても、落ち込んでても、けがしちゃっても、その人が生きててくれればそれでいい。


ようやくさんま師匠が言ってる「生きてるだけで丸儲け」って言葉の意味が分かったような。



それってここモロッコの人達の性格にもぴったりくる言葉な気がしました。


「何もできなくても、生きてそこにいてくれればそれだけでいいんだよ」って。




それがすっと理解できて、そしたら周りの人達のこともその存在を大事にしたいって思いました。




仲間の死は本当に悔しい。


生きてて欲しかった




きっと世界中に散らばっている多くの仲間もそう思ってる。


家族とか、配属先の現地の人達とか、彼が教えてた子どもとか大人とか。


たくさんの、本当にたくさんの人の心に影響を与えたよ、あなたの存在とあなたの死は。







私には、そうやって生きてて欲しいって思う大事な人たちがたくさんいます。


例え連絡を取り合っていなくても、相手が私のこと忘れちゃってても、生きててくれればいいよ。



健やかであれ。